リーバーマン防衛相辞任:政府のガザ対応に合意できず 2018.11.15

リーバーマン防衛相が14日、記者会見を開き、今回のガザとの停戦は、テロへの降伏だったとして防衛相を辞任すると表明した。

リーバーマン防衛相は、短期的な視野での停戦は、長期的には敗北につながると主張する。これだけでなく、イスラエルが、カタールの「資金と燃料をガザへ搬入させたことなども含め、ここ数ヶ月の間、ネタニヤフ首相との間に不一致があったことを認めた。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5401885,00.html

<早期国会解散・総選挙の可能性!?>

リーバーマン防衛相の辞任は、48時間後に実効となり、そこからはネタニヤフ首相が兼任することになる。しかし、ネタニヤフ首相は、現在、外務相も兼任しており、防衛相まで兼任することは、少々難しいと思われる。

そこで浮上してきたのが、現在、教育相で、右派ユダヤの家党党首のナフタリ・ベネット氏。ベネット氏は、過去5年間、治安閣議のメンバーだったこともあり、リーバーマン氏辞任の後、防衛相を引き継ぐことを要望している。

もしそれが受け入れられないならば、ユダヤの家党は、現在の連立政権から離脱すると言っている。もし、ユダヤの家党が離脱すると、ネタニヤフ政権の議席は61と過半数を大きくわりこことになり、早期解散、総選挙になる可能性が出てくる。*任期満了総選挙の場合は、2019年11月

一方で、ネタニヤフ首相のリクード党所属の閣僚で、防衛相のポジションを引き継ぐことを希望している閣僚もいる。ネタニヤフ首相の政治的な地位は安定しているとみられ、今総選挙になっても、有利な結果を得られるとの見方もある。

エルサレムポストによると、野党勢は、総選挙の可能性がスタートしたととらえ、動き出しているとのことである。

いずれにしても、ネタニヤフ首相に、また一つ大きな問題がのしかかったことになる。

www.jpost.com/Israel-News/Bennett-threatens-to-leave-coalition-if-not-made-defense-minister-571900

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。