ホンデュラスが大使館をエルサレムへ移動:4国目 2021.6.25

左から、ホンデュラスのリサンドロ外相、ヘルナンデス首相、ベネット首相、ラピード外相 GPO

24日、ホンデュラスが、大使館をテルアビブからエルサレム(マルハ・モールに近いテクノロジーパークのエリア)に移動させた。この件は、1年ほど前にネタニヤフ前首相と合意していた件である。

ベネット首相、ラピード外傷と、ホンデュラスのヘルナンデス大統領と、リサンドロ外相は、首相府にて合意書に署名。開所式では、ホンデュラスのヘルナンデス大統領と、ベネット首相が、テープカットを行なった。

これにともない、イスラエルは、昨年8月から、ホンデュラスの首都、テグシガルパに代表オフィスを置いているが、まもなく、外交事務所を開設する予定である。最初の就任する大使は、エルダッド・ゴラン・ローゼンバーグ氏が決まっている。

エルサレムに大使館を持つ国は、アメリカ、グアテマラ、コソボに続いて4国目になる。式典後、ヘルナンデス大統領は、ツイッターに、「エルサレムは、永遠にイスラエルの首都」と記し、ホンデュラスとイスラエル両国の関係がさらに深まっていくことを希望すると書き込んでいる。

ヘルナンデス大統領は、2014年に就任。以来、国連が出すイスラエルへの非難決議に反対する5カ国の中の1つという立場を取り続けてきた。ベネット首相は、「あなたのリーダーシップの元、ホンデュラスはいつもイスラエルの側に立ってくださった。」と感謝を伝えている。

ヘルナンデス大統領は、嘆きの壁、聖墳墓教会を訪問。リブリン大統領にも面会した。

ネタニヤフ前首相は、この動きを歓迎すると表明。立場上、式典には出席しなかったが、もともと両国の合意を導いた者としてヘルナンデス大統領と面会している。

www.timesofisrael.com/honduras-becomes-4th-country-to-open-embassy-in-jerusalem/

<ヘルナンデス大統領と福音派との関係>

ヘルナンデス大統領は、本人の信仰については不明だが、福音派クリスチャンの影響を強く受けていると指摘されている。学校、警察、軍隊などにおいて、1日の最初に祈りを義務付けている。また、今年初頭、人工中絶と、同性結婚を禁止するという項目を、憲法に書き加えた。憲法なので、将来的にも、変更は難しいと考えられる。

www.businessinsider.com/trump-praises-honduras-hernandez-despite-drug-trafficking-allegations-2020-7

ヘルナンデス大統領は、トランプ大統領と懇意であることから、こうした政策を取り入れ、エルサレムへの大使館移動も実行したのかもしれない。

しかし、同時に、トランプ大統領とのつながりで、国境を通じた麻薬に関連する取引もあったというような非難もある。それが、トランプ大統領が訴えているような、事実無根でメディアに取り上げられただけのことと言えるのかどうかは不明。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。