ベネット首相の家族と首相官邸の課題 2021.7.3

ベネット首相家族 ベネット首相のインスタより https://www.timesofisrael.com/bennett-said-planning-to-sleep-4-nights-a-week-at-official-pm-residence/

イスラエルでは首相は、家族とともに、エルサレムの首相官邸に住むことになっている。官邸の周辺は、防犯カメラが張り巡らされ、門番や、警備員の配置なども完備しており、がっちり守られた家になっている。

ネタニヤフ前首相は、ここに12年も住んだので、すぐには出ていけなかったのだろう。ベネット首相との話で、7月10日に官邸を出ることで合意している。

ベネット首相は49歳で、こどもたち4人はまだ若く、学校に通っている。このため、ベネット首相は、子供たちが転校しなくていいように、今のラナナ(テルアビブ北部の海岸沿いの町)にある自宅を維持することを決めた。エルサレムの官邸で、妻や子供たちが政治に巻き込まれないようにするためでもある。

ベネット首相本人は、官邸に週4日は寝泊まりして執務にあたる。自宅に戻っている間も、首相官邸の機能は維持させるとのこと。エルサレムからラナナまでは、車で2時間かかるかかからないかぐらいである。

しかし、こうなると、ラナナに第二の首相官邸ができることを意味するため、周辺警護や、警備員たちが詰める事務所やアパートなども準備しなければならない。その準備のために必要な額は、360万から460万ドル(4億から5億円程度)かかると試算されている。

また、継続して警備員が詰めるために、アパートが必要になるが、その賃貸は、毎月9200ドル(100万円)である。これらは、税金から支出されることになる。

www.timesofisrael.com/bennett-said-planning-to-sleep-4-nights-a-week-at-official-pm-residence/

しかし、ベネット首相は、億万長者である。さらに、13年間投資してきた会社Payoneerが、今月、ナスダックに出ることとなり、ベネット首相個人にも、500万ドル(6億円弱)入るとみられている。

なんとも・・・実家の準備費はちょうどその額にみえるが、ひょっとして、そこからの支出もありうる・・?などと書いているメディアもあった。

www.timesofisrael.com/behind-bennetts-payoneer-payday-a-firm-that-profited-off-smut-and-alleged-cons/

ところで、ラナナでは、ベネット首相が首相になって以来、地域にメディア関係者がおしかけ、ベネット首相を警備する警備員らの存在でものものしい雰囲気になっている。近所住民らは大いに迷惑を被っていると伝えられていた。

この上、ベネット首相が自宅を維持することとなり、周辺住民は頭を抱えているだろう。

父親が首相になって、家族の生活は一変。近所住民の生活にもその影響が出ることになったということである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。