ヒズボラ攻撃強化・イスラエルへロケット弾200発:北部国境在住イスラエル人の声 2026.3.12

People inspect homes damaged by a rocket fired by Hezbollah from Lebanon, in Haniel central Israel, March 12, 2026. (AP Photo/Baz Ratner)

ヒズボラがイスラエルにロケット弾200発発射

イスラエルは、今、イランよりも、IRGCの下に置かれているヒズボラへの攻撃を強化している様相にある。これに対し、ヒズボラは、ロケット弾を大量に発射している。

昨日11日午後8時ごろ(日本時間12日夜中3時)、ヒズボラはロケット弾100発を、続けてイスラエルに向けて発射した。ちょうどイランのミサイルの波が、イスラエル中部に向かって発射されたころだった。

www.ynetnews.com/article/hj39di15wl

ヒズボラのロケット弾は、その後もイスラエル北部にむかって続き、この日だけで、200発に及んだ。しかし、このうち、80発はレバノン領内に着弾していたので、正確には120発がイスラエルに飛来したことになる。

ロケット弾は、複数の場所に着弾したが、1発は家の屋根を突き破って着弾していた。この一連の攻撃で、2人(35歳女性、50歳男性)が破片で負傷した。しかし重篤な死傷者は出ていない。ただ、救急隊によると、4人が心理的ショックで搬送された。

www.timesofisrael.com/hezbollah-fires-at-least-150-rockets-at-north-iran-launches-missiles-in-integrated-operation/

北部イスラエル人たちの声

この夜数時間続いたロケット弾攻撃を経験した、イスラエル北部住民に話を聞いた。

ヒズボラのいるレバノン、シリアとその先にあるイランを見下ろす国境、北部ゴラン高原に住むヤコブ・シャア・ラバンさんは、今も、幼い子供たち、家族とともに国境に近い自宅にいる。コミュニティは全員留まっている。

ヒズボラからのロケット弾は、ここではサイレンが鳴っても逃げる時間はない。おおむね上空を飛んでイスラエルへ飛んでいくという。

しかし、迎撃ミサイルが迎撃する真下でもあるので、破片が落下するという危険はある。インタビューの時もその破片を見せていた。

しかし、今はほとんどの市民活動はシェルターの中で行われているが、それ以外では、皆サイレンに慣れてしまって、避難しない人もいるというのが現状だと語っていた。

ヤコブさんは、従軍していた時にレバノン南部に入ったことがあり、その村の中に、家の数より多い対戦車砲があり、驚かされたと述べ、ヒズボラとその背後にいるイランの本気を実感したと語る。

ヒズボラは、今もロケット弾を撃ち込んでくるが、耐えるしかない。今回は、最後までヒズボラを打倒するしかない、やりきるだけだと語った。

イスラエル北部に住む写真男性も、幼い子供含む家族と共に今も北部にいる。この地域は、10月7日事件の際、地域ごと、避難して、2年以上、難民状態だった。

今は、地域住民とともに戻っている。今回の戦争では、イスラエル軍は、住民に、避難を強制しなかったという。「もう2度と、絶対ここから出て行かない」と語っている。

子供たちは元気にしているが、24/7でずっとシェルターにいることは不可能であること。また前の戦争も併せて3年間まともに学校に行っていないことが、問題だと語っている。

「心は決まっている。今回は最後までやり切るだけだ」と語った。しかし、戦後について、レバノンとの国境(約120キロ)の間は、非武装地帯ではなく、緩衝地帯にして、誰もいない状態にしなければならないと強調した。

レバノンは、イスラエルより土地が高いため、ヒズボラから見下ろされていて、いつ、ハマスのようにイスラエル側へなだれ込んでくるかわからないという不安が常にあったという。

戦争が終わって、イランやヒズボラという過激な組織がいなくなれば、中東で経済的な発展が始まると期待していると語った。

石のひとりごと

ユダヤ人たちは、たとえ先がみえない、苦難の日々が続く中でも、「This too shall pass(これもやがて終わる)」と言って、その先の計画を立てる。

ヒズボラと目と鼻の先。ロケット弾が上空を飛ぶ中でも、日常生活をそこで続けている。イスラエル人らしいと思う。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。