ヒズボラのトンネルへセメント様物資流入:レバノン側から流出 2019.1.1

12月4日に始まった北の盾作戦。これまでに5本のトンネルが摘発されている。その内の一本には、イスラエル側からこれを塞ぐセメントのような物質が流し込まれ、27日、その物質が、レバノン側クファル・キラのレンガ工場から流出している様子が、航空写真で確認された。

軍事目的で設営されたトンネルが、民間工場につながっていたということは、明らかに停戦合意1701に反するとイスラエルは主張する。

イスラエル軍報道官によると、これまでに発見されたトンネルは5本。破壊のしかたは、それぞれ違ってるという。セメント様物資を流し込んだのは、少なくとも2本。爆破したものもあれば、土壌の種類や、レバノン側開口の状況によって、それぞれ違う方策がとられたとのこと。

ネタニヤフ首相は、トンネルの破壊で、ヒズボラに大打撃を与えたと作戦を高く評価し、もうすぐこの作戦は完了すると語る。しかし、イスラエル軍は、必要ならば、作戦は継続すると言っている。

<ハマスとヒズボラの違い:命を惜しむヒズボラ>

イスラエル軍によると、ヒズボラのトンネルは、南のハマスのものと性質もだいぶ違うという。ハマスのトンネルは、出口の場所がいかに危険であっても気にしていない。戦闘で死ぬことを恐れていないからである。

ところが、ヒズボラのトンネルは、出口は、人目につかない隠れた場所にある。トンネルを通ってきた戦闘員たちが、一息ついて、命令をまち、計画的に行動するようデザインされている。

また、トンネル自体も、ヒズボラのものは換気システムや電気も通っており、ハマスのトンネルに比べると、5つ星だという。

www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Conquer-the-Galilee-IDF-reveals-Hezbollahs-tunnel-attack-strategy-575616

<UNIFIL(国連レバノン暫定駐留軍)が、イスラエル軍、レバノン軍と3者会談を予定>

UNIFILがレバノンのメディアを通じて伝えたところによると、UNIFILが、イスラエル軍とレバノン軍それぞれの代表を招いて、トンネルに関する3者会談を予定しているという。場所は、南レバノンだが、日時は明らかにしていない。

UNIFILは、4本のトンネルについて、その存在を公式に認めている。イスラエルは、トンネルはヒズボラのものではあるが、基本的にレバノン政府に責任があるとの立場である。

www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/NORTHERN-SHIELD/Tripartite-meeting-to-be-held-to-discuss-Hezbollah-tunnels-575818

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。