パレスチナ自治政府治安部隊2人死亡:覆面イスラエル軍と衝突で 2021.6.10

ジェニンで作戦に向かうイスラエル軍(2018年当時の別の時の写真) 出典:イスラエル軍
エレビー少佐(左)イサ軍曹(右) パレスチナ治安部隊

西岸地区北部のパレスチナ人居住地ジェニンで、9日、イスラエル軍兵士が、一般車両で、覆面状態(軍服でない一般市民の服装)で侵入。イスラム聖戦の手配中のイスラム聖戦メンバー2人を逮捕しようとした。

現場は、パレスチナ自治政府軍諜報部に近かったため、警備にあたっていたパレスチナ自治政府治安部隊が発砲。これにイスラエル軍が応戦し、交戦状態となった。この衝突で、パレスチナ人治安部隊のアドハム・ヤセル・エレヴィ少佐(23)、タイセー・イサ軍曹(33)が死亡した。

もう一人死亡しているが、イスラエル軍が逮捕したばかりのイスラム聖戦メンバーの一人とみられる。以下は衝突の際の激しい交戦の様子

イスラエル軍とパレスチナ自治政府治安部隊は、テロリストの逮捕については協力体制をとっている。しかし、パレスチナメディアに伝えたところによると、今回はイスラエル軍からの事前通達がなかったと言っている。

パレスチナ自治政府のアッバス議長は、2人の死亡の責任はイスラエル政府にあると非難し、これが危険な対立に発展すると警告している。

www.timesofisrael.com/2-pa-security-force-officers-reportedly-shot-dead-in-clashes-with-israeli-troops/

なお、西岸地区では、イスラエル軍が、テロリストと間違えて自治政府の治安部隊兵士2人を射殺する事件が、ひと月前にも発生していた。

www.timesofisrael.com/idf-says-it-thwarted-west-bank-shooting-would-be-palestinian-gunman-killed/

<石のひとりごと>

西岸地区でのイスラエル軍の活動がすべてメディアに上がってくるわけではない。しかし、イスラエル国内の治安は、日夜こうした隠れた作戦で、テロを未然に防いでいるイスラエル軍によって守られている。

しかし、その中で、こうした悲しい衝突も発生しているのであり、誰にも知られないままで死亡していったパレスチナ人も少なからずいるのだろう。平和とはなにか、わからなくなる感じもする。

今回死亡した若いパレスチナ人たちも、誰かの息子であり、夫であり父親であったかもしれない。全く知らないパレスチナ人の家族だが、その人々の心がなんとか支えられ、怒りに支配されて、新たな悲しみと破壊に流されてしまうことがないようにと祈るものである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。