ネタニヤフ首相とケリー国務長官対立 2015.2.28

www.bbc.com/news/world-europe-31639376

アメリカ議会(共和党)が、オバマ大統領(民主党)に無断でネタニヤフ首相を招聘し、議会でイランとの合意に反対する演説を依頼、ネタニヤフ首相がそれに応じる意志を表明している件で、イスラエル、アメリカ双方に大きな波紋となっている。

イランに少しでも核開発の権利(平和利用を含む)を認める形で合意することは、将来必ずイランの核兵器保有につながると警告するのがネタニヤフ首相の主張である。

これに対し、ホワイトハウスの意向を代表するケリー国務長官は、「イランとの合意を早急に判断すべきではない。今回はネタニヤフ首相は間違っていたとの判断をうけるだろう。」と語り、公に対立する発言を行った。

もし来週、ネタニヤフ首相が予定通り訪米した場合、オバマ大統領、バイデン副大統領、ケリー国務長官は、それぞれ不在ということで会わない方針を明らかにしている。

しかし、ネタニヤフ首相はあくまでもアメリカ議会に赴く意志を変えておらず、来週渡米する予定である。BBCは、イスラエルとアメリカの関係に危機として、昨日はトップで報じていた。

ところで、イランとの合意に反対するのは、ネタニヤフ首相だけではない。穏健アラブ諸国も、「イランに核開発の道を残せば、中東に核保有の競争が始まる」との懸念を表明している。

中東は独裁者が多い上に、ISISという危険きわまりない過激派が存在する地域である。ここで核兵器獲得競争が始まることは、本当に地球崩壊につながりかねないことである。この問題、イスラエルが危ないだけでなく、予想以上に深刻な問題のようである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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