トランプ大統領が退任挨拶:膨大な4年間の功績 2021.1.20

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トランプ大統領は、19日、翌日のバイデン新大統領の就任式を前に、ホワイトハウスから約20分の国民への別れのメッセージを発表した。

まずは、ともに働いてくれたメラニア夫人や家族、ペンス副大統領とその家族、政権のすべての人々、ホワイトハウスのスタッフに感謝し、影で働いたシークレットサービスにも感謝した。このサービスなしでは、今頃命はなかったとも語った。

6日の議会への乱入については改めて、間違いであると非難した。次期政権については、バイデン氏の名前をあげないまでも、次期政権がアメリカの安全と繁栄の維持に成功するよう祈ると述べた。

その後、国民とともに過去4年間になしとげた事柄として、多くを列挙した。あまりにも多いので、ホワイトハウスのウェブサイトに挙げられている項目から、一部だが以下に挙げた。政治経験も人脈もなかったトランプ大統領がここまでの成果を残したということは、文字どおり歴史的と言えるだろう。

メラニア夫人、ペンス副大統領夫妻は、米軍基地にて兵士たちへの深い感謝を表明した。

今日20日、ワシントンでは、バイデン新大統領が、州兵2万5,000人に守られながら就任式に臨む。トランプ大統領は、出席せず、20日メリーランド州のアンドルース空軍基地で、送別会に出席後、フロリダ州パームビーチの別荘に移動する。

トランプ政権の功績:ホワイトハウスより

www.whitehouse.gov/trump-administration-accomplishments/

1)(中国ウイルス)パンデミックの前までの前例なき経済回復を実現

①700万人の新しい雇用創生。失業率は半世紀最低の5.3%を達成。人種に関係なく、特に女性の失業率は過去70年で最も改善した。
②低所得者のアフリカ系、ヒスパニック系、ブルーカラー層の賃金16%増で、これらの弱者の貧困率が記録的に低下
③海外に依存していた製造業を国内に取り戻した。

2)大規模な規制緩和で企業の経費大幅削減を実現

①アメリカ企業に課せられていた国からの規制を大幅緩和し、それにかかるコストを500億ドル削減。これによりアメリカ人世帯に3100ドルを提供できた。
②新しいインフラ整備の承認期間を10年から2年に削減
③特に医療体制への16に上る規制緩和を実施。これまでに66億ドルの節約と4200万時間の規制に関わる時間を節約できた。

3)貿易協定の調整でアメリカの市場と雇用保護

①TPPからの離脱
②北米自由貿易協定を停止し、新しくUSMCA(アメリカ、メキシコ、カナダ協定)を立ち上げ、アメリカの企業と労働者を守った。10年で55万人の雇用が見込まれている。
③中国、日本、欧州との貿易不均衡を是正。
④アメリカの農村に市場へのアクセスを簡易化

4)アメリカのエネルギー自給を実現

①アメリカは現在、石油と天然ガスの生産において、世界一となっており、自給するだけでなく、輸出も行うようになった。(アラブ諸国に依存していない)
②太陽光発電を2倍にした。

5)アメリカの労働者と家族への待遇改善

①児童税額控除で、4000万近い家族が児童勢控除として平均2200ドルの恩恵を受けた。
②時代遅れの学位ベール雇用を、能力ベースの雇用に置き換えるよう大統領命令に署名。

③女性のエンパワメントに力を入れ、W-GDPを立ち上げて世界中の女性の経済的エンパワメントを実現した。
④5GとAIイニシアチブを立ち上げ、アメリカのリーダーシップを確保

⑤アメリカ人労働者を保護するため、安い外国人労働者への置き換えを覆すよう圧力をかけた。

6)選択肢、透明性、手頃な価格でのヘルスケアを実現

①オバマケアの個人的義務(高額な健康保険料)を廃止し、個人健康保険市場での競争を促進することで、保険料引き下げに成功。
②51年ぶりに薬価の引き下げに成功
③ヘルスケアの研究と革新を促進
④メディケア強化で、高齢者医療を保護

7)アメリカの南の国境を確保

①400マイルに上る防護壁を建築し、違法な侵入を87%阻止できた。
②犯罪者やテロリストのアメリカへの移民を阻止するベールラインを策定
③難民の第3国定住を83%削減

8)国際社会におけるアメリカのリーダーシップを回復

①NATOの防衛費について、アメリカ意外納税義務を果たす国が2倍になった
②国連支援における合理化をすすめ、13億ドルの出費を削減できた
③日本と韓国が防衛負担を増額することになった

④イラン核合意から離脱し、イランに壊滅的な経済制裁を科した。
⑤北朝鮮への圧力と制裁
⑥キューバ関連

9)イスラエルとの友好関係を維持

①エルサレムをイスラエルの首都として、米大使館をエルサレムへ移設
②ゴラン高原のイスラエルの主権を認め、ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地は、国際法に矛盾しないと宣言
③アブラハム合意を実現(UAE,バーレーン、スーダンなど)
④モロッコとイスラエルの正規協定で合意
⑤コソボがイスラエルとの関係を正常化

10)米軍再建と世界の平和の強化

1)国防費を2.2兆円で再建した
2)ISIS打倒(イラクとシリアの拠点排斥、トップ指導者スレイマニを排除)
3)多くの米兵をアメリカに帰国させた

まだまだあるので、興味のある方はホワイトハウスのサイトを参照されたし。このほかにも、麻薬に関することなどが挙げられていた。

石のひとりごと

このように多くの功績をみると、トランプ大統領は、政治家でないのに、いや、政治家でないからこそ、ここまでの政策を大胆に実行できたのかもしれない。国民の半分が支持し、多くの人が続投のために祈っていたのも理解できるような気がする。

それにしても、今回、多くの祈りが積まれていたにもかかわらず、トランプ大統領は退陣になる。がっかりした人も多い。しかし、主がなんらかのご計画をもってこのことを許されのだろう。次に立つバイデン新大統領が、リベラル派の国際協調派であることを思うと、トランプ大統領の登場と退陣は、終末世界への入り口のしるしとして用いられたようにも見える。

トランプ大統領は今後どうなっていくだろうか。弾劾訴追されることになっているトランプ大統領とその家族に神のあわれみを期待したい。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。