トランプ大統領のための”ブルー・シールド作戦” 2017.5.20

トランプ大統領の就任後初となる外遊が始まった。昨日からサウジアラビアのリヤド(5/20,21)、エルサレム(5/22,23)、バチカン(5/24,25)、続いてブリュッセルでNATO首脳会議、シシリー島でのG7に出席する。

後にまとめるが、この訪問に先立ち、ロシアへの機密情報漏洩問題など、トランプ大統領に関しては、実に深刻で重要なことが連発している。

イスラエル・パレスチナ中東和平問題に関しては、”カオス”と評されるほど混乱したメッセージがホワイトハウスから、発せられ続けた。

このため、エルサレムで、トランプ大統領が何をするのか、どのように滞在するのか、ホワイトハウスからの要請は二転三転し、政府プレスオフィスが、滞在スケジュールを送ってきたのは、わずか数日前の昨日である。

いろいろ問題の多い大統領だけに、暗殺やテロの可能性は高い。アメリカ、イスラエル両国の治安部隊は、トランプ大統領一行の安全を確保するため、綿密な計画を立て、共同訓練も行ったという。名付けて”オペレーション・ブルー・シールド”である。

<大統領ご一行護衛作戦ブルーシールド>

トランプ大統領は、メラニア夫人はじめ、大統領上級顧問で、娘婿のジェレッド・クシュナー氏とその妻イバンカさんを同伴している。

ホワイトハウスからは、ティラーソン国務長官、マティス国防長官、プリーバス大統領首席補佐官、スパイサー報道官に、タカ派で知られる首席戦略官スティーブ・バノン氏とそうそうたる面々が同伴する。護衛も入れて大統領様ご一行は1000人以上に上る。

エルサレムでの宿泊はキング・デービッドホテル。そこから、大統領官邸、首相官邸、ヤドバシェム、旧市街の嘆きの壁、キリスト教地区、おそらくはベツレヘム(アッバス議長と会談)へと移動することになる。

このため、この2日間、エルサレム市内は、広範囲に、長時間、道路が封鎖される。エルサレム上空は、この2日間、飛行禁止になる。

閉鎖になる地域や道路は、町の目抜き通りであるため、エルサレム市はこの2日間、非常に不便なことになる。治安部隊は、市民に対し、乗用車の使用を避け、「できるだけ家から出ないように」との叫ぶような要請を語っている。

チャンネル2によると、配置される治安部隊は、4000人以上で、特にキング・デービッドホテル周辺は、”無菌状態”、つまりは、ホテル全館だけでなく、周辺も幅広く封鎖状態になるという。

ホテルは、イスラエルがRBG(ロケット弾防護設備)や化学兵器に備えるシステムを準備したのに加えて、アメリカも同様の防護システムを持ち込むという。

大統領が泊まる部屋は、旧市街を見渡す見事な眺めがあるが、それほど大きな部屋ではない。しかし、上記のような護衛システムが配備されているせいか、一泊5700ドル(約60万円)もする。

*来週は過密スケジュールのエルサレム

トランプ大統領が来る来週、エルサレムは統一50周年で40以上の市民イベントが予定されている他、イスラムのラマダン開始日も迎える。治安部隊には非常に頭の痛い週である。

①5/21(日) 旧市街でエルサレム統一50周年イベント
城壁に映像を映すスペクタクルショーの開始日で、ネタニヤフ首相がヤフォ門で演説(ショーは7月まで継続)

②5/22(月), トランプ大統領訪問(空港到着13:00)ー大統領官邸、ネタニヤフ首相と夕食

③5/23(火) トランプ大統領訪問(空港出発16:00)ー旧市街・ベツレヘム訪問?ヤドバシェム、イスラエル博物館でスピーチ
エルサレム市内各地で統一50周年記念関連のイベント 
日中、市内でシオニスト関連の学生イベント、ダビデの塔で特別イベント、夜は町の中心や公園などでコンサートや徹夜パーティなど

④5/24(水) シオニスト群衆によるフラッグ・パレードと嘆きの壁での祝典、弾薬の丘での公式式典(ネタニヤフ首相、リブリン大統領)

⑤5/26)金) イスラムのラマダン開始

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4964436,00.html

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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