テルアビブでゲイ・プライド・フェスティバル:18万人 2015.6.13

www.jpost.com/Israel-News/Gay-Pride-Parade-in-Tel-Aviv-to-draw-180000-405847

イスラエルでは、しばらくハムシーンという砂漠からの熱風で、異常な暑さが続いていたが、先週ぐらいから非常に気持ちのよい気候となっている。エルサレムでは、旧市街で毎年恒例の光に祭典、平行してヘブル語のブック・フェアが行われ、夜にも多くの人々が外出を楽しんだ。

テルアビブでは、6月7日からゲイ・プライドウイークが始まり、今日12日は、そのピークとなるパレードが朝10時から行われた。今年のテーマは、トランスジェンダー(体は男性だが心は女性。またその逆の人)にも同じ権利をというものである。

主催はLGBT協会とテルアビブ市。ゲイ・プライド・フェスティバルは今年17回目となるが、毎年参加者が増えて、今年は約18万人、パレードには10万人が参加し、さらに記録を更新した。海外からの参加者は3万人となっている。(テルアビブ市発表)

メイン・パーティ会場では、そうとうやかましいビートのきいた音楽と人々の笑い声、叫びで満ちあふれていた。様々なゲイ団体に加えて、ユースムーブメント、動物愛護協会など、様々なチャリティ団体の他、リクード、労働党、メレツ(左派)など、政党もブースを出し、パレードに参加している。

立っているスペースもないほどの群衆は、顔に虹色の旗を書いていたり、頭にも虹色のものをつけている。おそろいのTシャツのティーンエイジャーからヤングアダルト、虹色の旗と手にはビールである。

しかし、若者だけではない。中には60才代のおばちゃんレスビアンカップルもいた。2人は一緒になって16年だという。
歩いているうちに、同じようなおばちゃんたちと合流した。どの人も、普通のおばちゃんたちだ。イスラエルには、45才以上のゲイ・カップルのサポートグループがあるという。若い人たちにもまれながら、おばちゃんたちもとても楽しそうだった。

そのまま歩いていたら、なんと、女性性器のきぐるみが歩いて来た。みんな面白がっていたが、吐き気を催すようなものをみてしまった気がした。さらに、小さなテーブルを出して、何かを売っている。通りかかる人たちがおもしろそうに見ているので見ると、男性性器をかたどったチョコレードだった。

ステージにも度肝を抜かれた。CGNTV(クリスチャンテレビ)で撮影に来たのだが、一般のテレビでも放送できないようなきわどいショーが行われていた。

パレードが始まると、カラフルな大群衆が通りを歩いて行く。小さな子供を肩車し、その子供に虹色の旗をふらせている。イスラエル人の車に石をなげつける子供をしからないパレスチナ人もどうかと思うが、幼い子供にゲイの旗をふらせるのもどうか・・と思った。

ただ一つだけ言えることは、どの顔も笑顔だということである。皆が楽しんでいた。それは確かである。

<テルアビブに福音>

その裸同然の大群衆にもまれて、小さくてか細い難民みたいな中国人らしき男性がいた。見ると、福音のちらしを配っていた。少しいくと、今度は台湾人兄弟が同じちらしを配っていた。2人の他、韓国人もチラシ配りに来ていると言っていた。

ちらしを受け取った人は、何だろうという風に一応目を通していた。しかし、少し先に行くと、ちらしが、そこら中に捨てられ、その上を群衆が踏みつけながら歩いてくのがみえた。あるところでは、ばりばりに破り捨てられたちらしの上で、5人ぐらいの裸同然の若い男性たちが踊りまくっているのが見えた。

これにはどうにも、主が踏みつけられているようで、また、テルアビブは将来、神の前でどう申し開きをするのかと思うと、なんとも泣けて来た。

テルアビブは、かつてのペリシテ人の町である。考古学的発掘によると、ペリシテ人が当時からビールを製造し、パーティしていたことがわかっている。まだ若いサムソンも、その楽しそうな様子をみて、山からおりてペリシテ人のところへ行ってしまったのだろう。

今のテルアビブの住民は、ペリシテ人ではなく、95%(中央統計局)ユダヤ人だが、ペリシテ人のスピリットはそのまま今も続いているようである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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