ジェニンで銃撃戦:犯人はまだ外にいる 2018.1.20

先週ラビ・ラジエル・シャバック(35)を銃撃して殺害したテロリストを捜索していたイスラエル軍は、18日夜、西岸地区北部パレスチナ人の町ジェニンで、パレスチナ人からの銃撃を受け、イスラエル兵2人が負傷した。1人は重症である。

ジェニンでは直ちに銃撃戦となり、パレスチナ人1人が死亡。イスラエル軍は2人を逮捕した。

当初、死亡したのは、ハマス所属のアフマド・ナセル・ジャラール(22)とパレスチナ自治政府は発表したが、その後家族から、彼はまだ生きているとの情報があった。

死亡したのは同姓同名のいとこであった可能性がある。イスラエル軍は、今も捜査を継続している。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5073275,00.html

今も捜査が続けられているマフマド・ナセル・ジャラール(22)の父は、1958年生まれで、パレスチナ武装闘争の開拓にかかわっていたとみられる人物。

2001年には爆弾を製造中に誤爆し、両足を切断。2002年に、テロ計画中との情報で、イスラエル軍に爆撃されて死亡した。その息子で筋金位入りのテロリストが、まだ自由に動いているということである。

リーバーマン防衛相は、負傷した兵士らを見舞った後、ジャラールを「今借りた時間で逃げている犬」だと称し、必ず逮捕し、協力した者も明らかにするとコメントした。

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リーバーマン防衛相に先立ち、リブリン大統領も負傷兵2人を搬送先のハイファの病院に訪問。ラビ・シャバックの遺族も、訪問し、負傷した兵士に感謝を伝えた。

<石のひとりごと>

イスラエルは、やられたら倍返しを行い、逃げるテロリストを決してあいまいにはしないという原則を守っている。何年たってもツケはきっちり返している。復讐に同意するわけではないが、中東ではそれが、防衛を意味するからである。

イスラエルは、たとえ犠牲者はすでに死んでいても、また取り返す人物がすでに遺体になっていたとしても、今生きている兵士のリスクも覚悟の上で、敵の只中に兵士を送り込む。息子たちを軍隊に送り出す国民はそれを理解している。

アメリカから移民してきた男性が、「アメリカでは、国に必要とされていると感じたことはなかった。しかし、イスラエルでは、いるだけで、国に必要とされていると感じる。だから、国のために何かしたいと思う。」と言っていた。

イスラエルは、ホロコーストという特殊な事情を抱え、また国自体が小さいということもあり、国民一人一人の価値は大きい。国民一人一人もそれはよく知っている。国外にいると、そういうイスラエル人をうらやましく思えることがある。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。