シリア:ダマスカス郊外にも戦火 2012.7.17

先週、政府軍が本格的な武器による攻撃を行って200人以上の死者が出たシリア。今朝から首都ダマスカス郊外でも戦火が上がっている。反政府軍らは、NATOによる軍事介入を求めている模様。

赤十字国際委員会(ICRC)は本日、シリアの状況を「内戦」と認め、ジュネーブ協定に基づいて、当事者たちは「戦犯」として裁かれることになると示唆した。

<停戦監視団期限は20日:安保理はどう決断するのか>
シリア国連停戦監視団は、現在、先週のタラムセ村虐殺現場に入り、調査を行っているが、シリア政府軍が本格的な武器で町を攻撃したことは明らかだと報告している。

この監視団の期限は7月20日。国連安保理はそれまでに、シリア問題についてどうするのかを決断しなければならない。シリア問題特使のアナン氏は現在、モスクワ入りし、これまで安保理で常に拒否権を発動してきたロシアとの交渉を行っている。

<混迷深まるシリア国内とロシア>
ロシアがここまできてもまだ国際社会と足並みをそろえないのは、シリアが化学兵器などの大量破壊兵器を使用する可能性があること、アサド政権を追放した場合、その後に出てくる者がさらに危険な者になる可能性が高いこと、またそれによってロシアは中東への足がかりを失うなどが上げられている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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