ガザ衝突:ガザで2人死亡・ロケット弾2発スデロット着弾 2019.9.10

6日金曜、毎週のガザ国境での衝突で、パレスチナ人の若者2人が死亡。ハマスが、イスラエルへの報復を予告していたが、夜11:30、ガザからイスラエルに向けてロケット弾5発が発射され、このうち少なくとも1発は、スデロット市内に着弾した。

幸い、道路脇の空き地であったことから負傷者はなし。しかし、防犯カメラが、道路脇への着弾と延焼する様子、また、付近を走行していた車から、あわてて逃げる人々の様子などを記録していた。

これに対し、イスラエル軍は、ハマス関係地点へ空爆と戦車砲での攻撃を実施した。

www.timesofisrael.com/rocket-sirens-wail-in-southern-israel-idf-investigating/

<2日のガザ国境デモ:パレスチナ人2人死亡>

ガザとイスラエルの国境で、毎週毎週、「帰還への行進」と呼ばれるガザの若者たちによるデモが行われるようになって、1年半。6日(金)は、約6000人がデモに参加。イスラエル軍に向けて、大きな爆発物や、手榴弾などを投げつけた。

ガザ保健省の発表によると、今週はカリッド・アル・ラバイ(14)、アリ・アル・アシガル(17)の2人が死亡。70人が負傷。このうち38人が、実弾による負傷した。

なお、このデモが始まって以来、パレスチナ人210人、イスラエル兵1人が、命を落としている。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5583168,00.html

*ガザもドローン

ガザのイスラム聖戦が、ドローンを使いはじめているが、ハマスも同様である。ガザからのミサイルは、迎撃ミサイルシステムにより、イスラエルには大きな脅威ではなくなった。

次に地下トンネルからの侵入を試みたが、イスラエルは、地下防護策を作り、次々にトンネルを摘発し、これも大きな脅威ではなくなった。今、ガザからの脅威はドローンに移行し始めている。

資金不足のハマスにドローンを開発する能力があるはずもなく、背後にイランがいることが疑いなしである。北部国境からシリア、イラクへの攻撃と、南部ハマスへの対策は結局、イランへの対策ということになる。

<イスラエルはガザを総攻撃するか?>

先月8月、イスラエルは、エスカレートするガザからのロケット攻撃を受け、26日からカタール支援による燃料の搬入を停止した。その後、先週金曜30日、イスラエルは、エジプトを介して、ハマスとの長期にわたる停戦について交渉し、9月1日、燃料搬入を再開した。

ところが、同日、突然、今度はカタールが、ガザへの支援金を半分にすると発表。イスラエルとハマスを驚かせた。なぜカタールが、支援金を半減させるかの発表はない。

イスラエルは9月17日に総選挙を予定しており、国境での大きな紛争は避けなければならない。しかし、ハマスとの交渉を仲介したエジプトは、イスラエルが大きな攻撃を計画しているとハマスに警告したと伝えられている。

イスラエル南部住民の忍耐は限界が来始めており、イスラエルがいよいよガザへの総攻撃を行うのではないかとの懸念は地域に広がっている。

www.timesofisrael.com/qatar-announces-drastic-cut-in-funding-for-gazan-fuel-report/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。