ガザ地区ハマスに大ボーナス 2012.10.24

23日、石油で裕福な国カタール。その王室のエミール王子が、昨日、世界では初めて国家としてガザ地区を公式訪問した。カタール王室の公式訪問は、ガザ地区のハマスの存在を国際社会で正式に認めた形となり、ハマスにとっては大きなボーナスとなった。

さらに、カタールは訪問前にすでに2億5400万ドル(198億円)の支援を約束していたが、訪問時さらに1億5000万ドル(117億円)を住宅建設資金として支援することを約束。ハマスは実質のボーナスも受け取ったことになる。

<パレスチナ自治政府の顔にどろ>

現在、パレスチナ人の代表と認められているのは、西岸地区のパレスチナ自治政府。その自治政府は現在、湾岸諸国からの支援金が減って、破算寸前の厳しい状況にある。

それを横目に今回、カタール王室はガザのハマスを公式訪問した上、巨額の支援を約束したのである。カタール王室の訪問は、パレスチナ人の間の対立に火をそそぐ結果となった。

<ハマスの孤立ねらうアメリカとの足並み崩す>

カタールは、親米アラブ国家に数えられている国である。今回のカタール王室のガザ地区公式訪問は、ハマスを国際テロ組織と指定して孤立化をすすめてきたアメリカとの足並みを乱す結果となった。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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