ガザ侵攻防げるか:南部国境にイスラエル軍配備 2014.7.4

ガザからイスラエル南部都市へのロケット攻撃が、3日夕刻からさらに激しくなり、この24時間で45発となった。

ほとんどは空き地に着弾するか、迎撃ミサイルが撃ち落としているが、家屋に着弾し、物損や、火事になった家もある。今のところ、兵士が一人、ロケット弾から出る金属片で負傷したほかは、市民に負傷者は出ていない。

ガザに最も近いエシュコル地域の住民はシェルターか、防護室に入るよう指示されている。シェルターから15秒以内にとどまるよう指示されている地域もある。

ネタニヤフ首相は、エジプトを通じて、ガザのハマスに、イスラエルへの攻撃を停止しないなら、ガザを攻撃すると伝えた。昨夜から48時間と期限を切ったとの情報もある。

<ガザ国境にイスラエル軍増強配備>

イスラエルは、ガザ周辺に戦車や地上軍を増強している。昨夜0時頃、エルサレムの上空で、軍の輸送機と見られる飛行機が、ひっきりなしに南へ飛んで行くのが見えた。一機一機を覚え、祈らずにはいられなかった。

これほどロケット弾が飛んで来ているのに、何もしないというわけにはいかないのだが、イスラエルとしても、できればガザへの侵攻は避けたい。

ハマスにしても、豪語しているものの、今にいたるまで、ベエルシェバに届くような長距離ミサイルは使用しておらず、イスラエルとの全面対決は避けたいと思っているとみられる。

<ガザ攻撃に反対:テルアビブで集会>

イスラエル市民の間で「イスラエル人は復讐を望む」とするFacebookが出回っていることはお知らせした通りだが、逆に「復讐は望まない。ガザへは侵攻するな」と訴える数千人とも言われる市民デモが、昨夜テルアビブで行われた。

2012年11月、ネタニヤフ首相は5万の大軍をガザ国境に配備したところで、停戦となった。侵攻しないで解決する方が、もちろん好ましいのであるが、配備するだけでもかなりの資金を要する。ネタニヤフ首相には、後になって批判が出た。

ネタニヤフ首相は、連日閣議を開き、国内外の状況を見極めながら、命のかかった政治的かけひきを行っている。そのプレッシャーは、相当なものと思われる。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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