ガザからロケット弾36発:イスラエルはガザへ報復 2021.4.24

ガザ地区地図 出典:wikipedia

エルサレムで、ユダヤ人とアラブ人、パレスチナ人の暴力的衝突が続く中、ガザでもこれに反発するデモが行われた。特に極右ユダヤ人との衝突の後、「やはり武力なしには、聖地(エルサレムのハラム・アッシャリフ)を解放することはできない。」と、イスラエルに報復すると叫んでいた。

この流れで、23日金曜夜から朝にかけて、36発に上るロケット弾が、ガザからイスラエル南部に撃ち込まれた。これを受けて、アイアンドーム迎撃ミサイルが5発を撃墜。その他は、空き地に着弾した。

サイレンが鳴らされた地域は、エシュコル地方、ネゲブ地方、アシュケロン海岸部と広範囲で、住民たちは、朝まで防護室で過ごすよう指示された。翌朝土曜日は、念のため、ビーチや、シナゴーグにも行かないようにと指示されている。幸い、今のところ、人的被害も物的被害も出ていない。

ハマスが犯行声明を出したことから、イスラエル空軍は、24日土曜朝、ロケット弾発射地域などハマス拠点への報復攻撃を実施した。ガザからも人的被害の報告はない。

www.timesofisrael.com/idf-hits-gaza-as-terrorists-fire-18-rockets-at-israel-ending-months-of-calm/

<悲惨なガザ地区のコロナ事情>

ガザ地区
出典:wikipedia

イスラエルにロケット弾を撃ち込んでくるガザ地区。住民約200万人のこの地域でのコロナ情勢は深刻である。1日の検査数がどのぐらいなのかは不明だが、アラブ・ニュースによると、検査に対する陽性率は、43%に上るという。

感染の急増で、集中治療室は、キャパの70%になっている。死者は、過去6日の間に86人で、その前の週の43人を大きく上回っている。ワクチン接種を終えた人は、僅か3万4000人強。ロシアと、UAE、国連からの供給でまかなっている。

ハマスは、新たなロックダウンを計画しているというが、ガザの失業率はすでに49%とのこと。水道下水施設も崩壊したままで、ガザは随分前から、人が住む場所でなくなりつつあると言われている。

www.arabnews.com/node/1847311/middle-east

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。