エルサレム山地で大規模山火事:1万人避難・2人不明 2021.8.16

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15日(日)、エルサレムから西へ13キロほどの山地で山火事が発生。乾燥した空気と強風に煽らられて火はまたたくまに燃え広がった。この地域での山火事は珍しいことではないが、ここ数年では最大と報じられている。

消防隊60-70チーム、消防用航空機12機が消火にあたっているが、日曜夜になっても鎮火することができず、作業は早朝(日本時間月曜午後)から再開されることになった。

負傷者は今のところ、消防士1人(32)のみ。この山火事で、ルート395、3955が閉鎖。ギブアット・エアリーム、ベイト・メイール、ショレッシュ、ショエバなど6地域から、1万人が避難を余儀なくされた。

これまでの被害は、ギブアット・エアリームのメツダ・ワイナリーが全焼。ワイン3万本を含め、すべてが失われた。また、同地区の精神病院エイタニームから、患者を避難させる際、アレックス・シェクトマンさん(62)、シャブタイ・シモン・シーガルさん(25)の2人が離れてしまい、山中で行方がわからなくなっている。

この他、ラマット・ラジエルでは、家屋4件が炎に巻き込まれて大きく損壊した。消火作業はすすんでいるものの、東(エルサレム方向)へと進んでおり、火災で発生した雲は、エルサレム市内上空にまで至っている。火がエイン・カレムにまで及ぶ可能性もまだ0ではないという。

ベネット首相は、消防本部を訪問。状況を視察するとともに、報告を受けた後、消防関係者に感謝を述べるとともに、国民に対し、「消火はすすんでいるものの、まだ終わっていない。」との認識を伝え、住民たちには、消防隊の指示に従うよう、要請した。

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/311795

なお、エルサレムでは、6月と8月にも3日、山火事が発生していた。今回の山火事も含め、原因は放火の可能性が高いとのこと。

www.timesofisrael.com/jerusalem-area-wildfire-burns-into-the-night-as-police-hunt-for-two-missing/

その後、火災は16日朝(日本時間午後)の時点で、大規模な火災は消し止められ、避難していた人々の一部は帰宅しているとのこと。

しかし、まだ小さい延焼が5箇所で続いており、まだ鎮火完了ではないとしている。行方不明の2人に関する新しい情報はない。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。