エルサレムの大病院が大赤字で麻痺 2014.2.16

エルサレムのハダッサ・ヘブライ大学病院。エインカレムとスコーパスキャンパスの2個所でユダヤ人にもアラブ人にも医療を提供する大病院である。

そのハダッサ病院が、13億シェケル(約39億円)もの赤字でついに職員に1月から給料を払えなくなった。そのため、10日ほど前から医師850人などがストに入り、緊急と出産以外の一般の診療や定期の手術が休止する事態となった。

エルサレム市民の必要からこの病院が倒れることはありえない。裁判所は、ハダッサ病院への借金取り立て期限を90日延期するとの命令を出した。この間にハダッサは、経営立て直しの見通しをたてなければならない。

ハダッサは、経営立て直しの一環として、病院は1月の給与を40%減とし、支払いは2月中旬。以後も給与は平均75%に減給となり、支払いが2月分は3月にとずれ込む方針を出した。また3ヶ月おきに15人が解雇となる。

政府の救済を求める声が高まる中、ネタニヤフ首相は、ハダッサのずさんな経営を非難する声明を出し、今のところ、政府の介入は予定されていない。

*ハダッサ病院は国立ではなく、世界的なユダヤ人団体の支援で経営されている。つまり世界のユダヤ人たちの献金で成り立っている半公立の病院である。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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