イスラエル感染者激増:96人増えて433人 2020.3.19

テルアビブで患者を搬送する様子 出展:Jerusalem Post / Moti Kimchi

イスラエルでは、過去24時間で、感染者が96人増えて、433人となった。260人が入院。重症は6人。中等度12人。回復して退院した人は11人。

感染者数が増えたのは、ドライブスルー検査が開始されたからではあるが、イスラエルは今後、1日6000件を目指す。感染者数は増えても早期に発見し、隔離することが、感染拡大につながるからである。前回お伝えしたように、無症状者の方が症状のある人より感染力が強いということがわかっている。

携帯電話を通じての感染者追跡。監視も始まった。現在、400人が、携帯に隔離に入るようにとの指示を受け、これまでからも、また今後も監視される。

イスラエルは、イスラエル人以外の外国人の入国をすべて停止した。これにともない、南端エイラっとのエジプト、ヨルダンとの国境も閉鎖となった。

<揺れるユダヤ教超正統派のコロナ対策>

保健省は、先週、すべての学校の閉鎖に続いて、10人以下の集会は禁止と指示している。ところが、エルサレム近郊、ベイト・シェメシュの超正統派の男子スクール(サトマル派)では、政府の厳しい隔離政策にもかかわらず、かろうじて一クラス10人にはしているものの、学校は閉鎖されず、少年たちは通学を続けている。

これは大人も同じで、ベイトシェメシュのイシバ(ユダヤ教神学校)のラビは、保健省の指示には、基本的には従うとしながらも、「トーラーが私たちを守る。トーラーの学びをストップするほうがコロナより危ない。私たちは恐れていない。」と教え、イシバを閉鎖する意志はないとのことである。

しかし、一部の人々からでも感染は広がってしまうので、大きな懸念材料になっている。

一方で、同じ、ベイトシェメシュでも別の英語で運営されているユダヤ教学校は、閉鎖している。国が認め、嘆きの壁を管理する超正統派ラビたちも、イシバの閉鎖も含めて、保健省の指示に従っている。

また、スファラディの超正統派のイツハク・ヨセフ・チーフラビは、保健省が携帯を通じて感染者の管理を始めたことを受けて、安息日にも電話を閉じないよう指示した。(ユダヤ教律法では、安息日には、電源は切ることになっている)

www.jpost.com/Israel-News/Chief-Rabbi-Leave-phones-on-during-Shabbat-621504

<イタリアの医療崩壊に続く恐れ>

テルハショメールなど大きな中核病院では、地下の防弾緊急病院にベッドを並べて準備を行っている。

しかし、保健省のモシェ・バル・シモン・トーブ長官は、これから1日100人以上と、どんどん感染者が増え、死者も増えていくことが予期される中、医療体制がまもなく上限に達してしまうとの懸念を表明している。

www.timesofisrael.com/number-of-israelis-infected-with-coronavirus-jumps-to-427/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。