イスラエルの宇宙探査機「ベレシット(最初に:聖書の創世記)」 2019.3.16

2月22日、イスラエルは、アメリカのケープ・カナベラルから、初の宇宙探査機ベレシット(創世記)の打ち上げに成功した。アメリカ、ロシア、中国に続いて4番目となる。プロジェクトを実施しているのは、イスラエル航空局(IAI)。イスラエル空軍機の製造を行っているが、公的機関ではなく私立である。

ベレシットは、地球の周りを楕円形に回る軌道に乗った後、月の軌道に入って、4月11日、月面に着陸することになっている。もし成功すれば、イスラエル初であるだけでなく、世界で初めての私的機関による宇宙探査機となる。

イスラエルの宇宙探査機が月面に着陸する可能性が出てきたことについて、「月にまでイスラエルが入植する」といった記事もあったが、それを気にするイスラエルではない。

ベレシットは、一度楕円形の軌道に乗り損ねたが、様々な課題を克服して軌道に乗り、3月5日、地球から3万7000キロ上空で撮影した地球とツーショットのセルフィーを送信してきた。

写真には、小さな地球と、イスラエルの旗と、「イスラエル人は生きている。」というヘブライ語、「小さな国、大きな夢」と書かれた文字がともに写っている。

イスラエル建国の先駆者テオドール・ヘルツェルは、かつて、「そう願うなら、それはもう夢ではない(必ず実現する)」と言った。そうしてイスラエルという国、ユダヤ人の国という、当時は夢物語しかなかった夢が、ヘルツェルがそう言った50年後に実現した。

このため、「夢は大きいい方がいい」というのが、イスラエルの座右の銘であるが、今、まさに大きな夢が実現しそうである。イスラエル初の月面着陸。4月11日に乞うご期待!

www.jpost.com/Israel-News/Israeli-spacecraft-Beresheet-takes-first-selfie-in-space-582512

<石のひとりごと>

上記サイトには、ちょこまかと動き回ってベレシットを組み立てるチームの人々の姿が紹介されている。人間は、同じ人間であっても、ヒズボラや、ガザのハマスのように、ちょこまか動き回ってただ怒り、破壊することもできれば、何かとてつもなく壮大なものを創造することもできることに驚かされる。

どちらを選ぶのか、選択は我々に委ねられている。恨みにとらわれず、常に何かを生み出すこと、命を選ぶのが、創造主を神とするヘブル的価値観(聖書的)である。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。