過ぎ越し中日・祭司の祈り(ユダヤ人地区) 2013.3.30

28日は、過ぎ越し(種なしパンの例祭)の中日にあたり、西壁では早朝に「祭司の祝福」(チーフラビが来て祝福する。またコハニム(祭司)にあたる男性たちが祈る)があった。この時の西壁広場は文字通り人で埋め尽くされた。

その後も、嘆きの壁を訪れる家族連れで広場はかなりのにぎわいだったが、いつもと違うのは、外国人旅行者で混んでいるのではなく、ヘブル語を話すユダヤでこみあっているということ。

イエス時代の人口はもっと少なかったと思うが、周囲に聞こえるにぎやかなヘブル語を聞いていると、当時の過ぎ越しのにぎわいはこんなものだったかなと思わされた。

それにしても子供の多いこと多いこと。黒服の正統派家族は、少なくとも4-5人、乳幼児や小学生ぐらいの子供8-10人を連れている夫婦もいる。

どこをむいても乳母車を押している人がいる。嘆きの壁の女性セクションでは「乳母車禁止」の看板が上がっていた。その家族たちが、あちこちの日陰に座って、マッツァや切り野菜のお弁当を食べていた。

正統派の人数が増えているとは聞いているが、確かに増えているようだ。この子供たちが全員働かず兵役にも就かず、国の社会保障で生きていくにはやはり無理があるのでは・・と実感させられた。

*第三神殿ビジターセンター

ユダヤ人地区では、過ぎ越しの中日に合わせて、神殿ビジターセンターがオープンした。グループごとに入場し、専属のガイドが案内してくれる。

ガイドは20才前後の元気な女性。「この博物館は、過去のものを保存しようとしているのではありません。神殿ができたらすぐに使えるように準備した、未来に向けたものです。」と明るく語った。

彼らの言う「神殿」とはエゼキエル書に基づく「第三神殿」で、備品は第二神殿をモデルにしている。

中に入るとまずは、第二神殿の大きな模型で解説。神殿で使う器具類や、内部に展示された大祭司の装束は、聖書に忠実に作製した本物である。この他、様々な器具類、メノラーやパンのショーケース、至聖所のカーテンもある。

この時、ミニ博物館ツアーに参加していたのは全員がユダヤ人だった。ガイドの女性によると、多くのユダヤ人の若者たちも、この第三神殿推進の組織に加わっているという。

エルサレム訪問時にはおすすめスポット。(入場料25シェケル・635円)

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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