28日は、過ぎ越し(種なしパンの例祭)の中日にあたり、西壁では早朝に「祭司の祝福」(チーフラビが来て祝福する。またコハニム(祭司)にあたる男性たちが祈る)があった。この時の西壁広場は文字通り人で埋め尽くされた。
その後も、嘆きの壁を訪れる家族連れで広場はかなりのにぎわいだったが、いつもと違うのは、外国人旅行者で混んでいるのではなく、ヘブル語を話すユダヤでこみあっているということ。
イエス時代の人口はもっと少なかったと思うが、周囲に聞こえるにぎやかなヘブル語を聞いていると、当時の過ぎ越しのにぎわいはこんなものだったかなと思わされた。
それにしても子供の多いこと多いこと。黒服の正統派家族は、少なくとも4-5人、乳幼児や小学生ぐらいの子供8-10人を連れている夫婦もいる。
どこをむいても乳母車を押している人がいる。嘆きの壁の女性セクションでは「乳母車禁止」の看板が上がっていた。その家族たちが、あちこちの日陰に座って、マッツァや切り野菜のお弁当を食べていた。
正統派の人数が増えているとは聞いているが、確かに増えているようだ。この子供たちが全員働かず兵役にも就かず、国の社会保障で生きていくにはやはり無理があるのでは・・と実感させられた。
*第三神殿ビジターセンター
ユダヤ人地区では、過ぎ越しの中日に合わせて、神殿ビジターセンターがオープンした。グループごとに入場し、専属のガイドが案内してくれる。
ガイドは20才前後の元気な女性。「この博物館は、過去のものを保存しようとしているのではありません。神殿ができたらすぐに使えるように準備した、未来に向けたものです。」と明るく語った。
彼らの言う「神殿」とはエゼキエル書に基づく「第三神殿」で、備品は第二神殿をモデルにしている。
中に入るとまずは、第二神殿の大きな模型で解説。神殿で使う器具類や、内部に展示された大祭司の装束は、聖書に忠実に作製した本物である。この他、様々な器具類、メノラーやパンのショーケース、至聖所のカーテンもある。
この時、ミニ博物館ツアーに参加していたのは全員がユダヤ人だった。ガイドの女性によると、多くのユダヤ人の若者たちも、この第三神殿推進の組織に加わっているという。
エルサレム訪問時にはおすすめスポット。(入場料25シェケル・635円)