トランプ政権は、アメリカの有名大学キャンパスで発生している反イスラエル運動の取り締まりを進める中、関係する外国人留学生のビザを無効とし、強制送還を始めている。
こうした中、3月8日(土)、ニューヨークのコロンビア大学学生で、反イスラエル運動指導者であったパレスチナ人のマフムード・カリル容疑者(29)が、移民当局に逮捕された。この件で逮捕者が出るのは初めてのことである。
カリル容疑者は、キャンパスで、ハマスのパンフレットを配布していたという。
カリル容疑者は、シリア出身だが、アメリカの永住権(グリーンカード)を持っていた。逮捕された今、永住権は無効とされ、ただちに強制送還されることになる。
カリル容疑者の逮捕を受け、コロンビア大学では激しい反発が出ている。
このため、ニューヨークの裁判所は、強制送還を遅らせ、12日(水)にハリル容疑者の公聴会を行った。
カリル容疑者自身は、登録居住地が、ルイジアナ州であったことから、ルイジアナ州での拘束となっており、ニューヨークの裁判所での公聴会には出ていなかった。
公聴会において、カリル容疑者の弁護人は、カリル容疑者はパレスチナ人の権利を擁護し、言論の自由のもとで活動していたと主張した。裁判所の前では、数百人が抗議デモを行った。
公聴会においてではないが、ルビオ国務長官は、これは言論の自由の問題ではなく、アメリカに住む権利があるかどうかの問題だと言っている。
アメリカは、(ハマスの主張と活動である)テロ支援、反ユダヤ主義、反米主義を容認していない。このため、連邦法によると、外国人がテロ活動に関わった場合、アメリカへの入国は認められないのである。
トランプ大統領はカリル容疑者の逮捕は始まりにすぎないと言っている。政府は、反イスラエルデモの始まりとなったコロンビア大学への支援金4億ドルの削減を決めたほか、アメリカ国内60の大学でも、同じ動きがないか調査を行っているとのこと。