第65回 独立記念日 2013.4.16

<イスラエルの人口800万人突破>

イスラエルは今年15日、独立してから65年を数えた。4月15日現在の総人口は、801万8000人。ついに800万人を突破した。1948年の独立当時からすると10倍。

このうち、ユダヤ人は75.3%で604万2000人。アラブ人(イスラム)は、20.7%で165万8000人。残りの31万8000人はアラブ・クリスチャンを含むその他の宗教。

昨年度に生まれた赤ちゃんは16万3000人。新移民は1万9500人。死亡は4万1000人。

<戦没者記念から祝祭へ>

イスラエルでは先週、ホロコースト記念日があったが、今日は戦没者記念日。国が独立し、存続するために多くの兵士とテロの犠牲者がいたことを覚える式典が、エルサレムを中心に全国各地で行われた。

建国以来、今年までの戦没者は、23085人。国防軍兵士の他、テロの犠牲者、殉職した警察官、刑務官、消防士も含む。

14日午前11時、全国的に2分間のサイレンがなり、人も車も立ち止まって戦没者に思いをはせた。

エルサレムのヘルツェル(建国の父)の丘にある戦没者墓地には、いわば国をあげての”お墓参り”だが、日本のように霊的な意味合いはなく、家族友人が墓の周りに集まって故人を思い出すのである。

エルサレムでも前夜から多くの店が閉まり、道路を走る車も少なくなっていた。驚いたのはテルアビブである。いつもは激しい渋滞であるはずの道路がまるで贖罪の日のように、がらがらだった。

店はほとんどが閉まっていて、日没までは歩いている人もかなり少なかった。

これは、イスラエル人のほとんど皆が、家族か友人に戦没者を出しているということである。特に世俗派で若者の多い町テルアビブは、あきらかにエルサレムよりも兵士を多く出している。

<独立記念日前夜のエルサレム>

イスラエルは、今年独立65年目。幸い、今年も無事に平和な独立記念日を迎えている。平和・・・といっても静かなというよりは、はちゃめちゃなパーティお祝いである。

今、夜中の1時だが、町では、12,3才から20代くらいの若者たちを中心に、いわゆる”馬鹿騒ぎ”である。心臓がひっくりかえりそうなビートのきいた音楽、どかんどかんと花火があがる。

イスラエルの旗をあしらったふうせんでなぐりあったり、スプレーの泡をかけあったりのお遊びで、やかましい、ごみだらけ、とにかく”むちゃくちゃ”である。

しかしアルコールはないので、酔っぱらいはいない。大人もあまりいないので、エルサレムの高校卒業パーティといったところ(日本の皆様には想像つきにくいかもしれないが、時間制限なし。大人なし。プログラムなしのパーティ)。

こんな夜だが、夜中に女性が1人でも身の危険はまったく感じない。大阪の夜中1時は、アルコールぷんぷんで訳のわからないよっぱらいや、やくざもいるので、エルサレムの方がよほど安全といえる。

エルサレムに先立ち、テルアビブにも行ってきたが、予想外にもテルアビブより、エルサレムの方がむちゃくちゃだった。

<バーベキューを楽しむ日>

明日は午前中、ペレス大統領宅で記念式典。昨年度、貢献した兵士120人が招かれている。国民はその様子をテレビでみたあと、一斉に、家族一緒にバーベキューに出てくる。

イスラエル人は本当に、祝うこと、徹底的に楽しむこと、しかも家族で楽しむことを知っているようである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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