新型コロナ:赤信号地域以外で一部新学年開始 2020.9.2

新学年開始にあたり、ホロンの小学校を訪問したネタニヤフ首相と、ギャラント教育相 出展:Koby Gideon (GPO)

UAEとの国交で沸き立っている一方、イスラエルの新型コロナ情勢はまだいっこうに改善がみられていない。こうした中、31日、国会が夜遅くに、ようやくガムズ教授の信号別対処計画を承認し、翌朝9月1日、240万人の子供達が新学年の登校日を迎えた。

新型コロナ感染者毎日2000人前後:死者数先週だけで100人

9月1日の新規感染者は1942人、前々日は、2576人とまだ毎日2000人前後の陽性が発覚している。また死者が増加しており、先週だけで100人が死亡。今週に入っても、昨日は18人、一昨日は20人に上っており、これまでの死者合計は、957人と1000人に迫っている。

パンデミックが始まって以来の感染者の合計は、11万6596人。もしかして、イスラエルでは集団免疫ができ始めているのではないかとの憶測もあるが、無論、その確証はない。

ガムズ教授の信号プラン可決:9月6日から開始へ

31日、国会は、都市、地区を感染の危険性により信号分けして、それぞれにみあった対処を行うというガムズ教授のプランを承認した。この案は、超正統派たちの反対で2回否決された案である。可決は、9月1日の新学期開校のぎりぎり数時間前のことであった。

信号プランでは、各地域の危険性が、2週間ごと、0−10段階で評価される。7.5以上の地域は赤、6−7.5はオレンジ、5−6は黄色、4.5以下がグリーンである。

現時点での赤地域は、23地域。このうち18地域がアラブ人居住区、3地域がユダヤ教超正統派地域、2地域が一般ユダヤ人地域となっている。

赤地域は、屋外集会が20人まで、屋内は10人まで。オレンジ地域は、屋外50人まで、屋内25人まで。公共広場や私立施設などの場合、屋外は収容最大人数の40%まで。屋内は20%。

黄色地域は、屋内100人まで。屋外は、屋外は最大収容人数の60%まで。屋内は50人まで、屋外は最大収容人数の40%まで。

グリーン地域は、屋外250人まで。屋外100人まで。公共広場などは、屋内は最大人数の60%、最大人数の80%までOK.

ずべて網羅できないが、イベントに関する細かい規定(飲食なしなど)の他、モール、ミュージアム、国立公園における人と人との間隔など非常に細かい指示がつらなっている。それらが、信号別に地域ごとに違ってくるわけなので、市民の間では、ややこしすぎるとの声があがっている。

この規定は、9月6日から実施予定である。

9月1日新学年登校日:240万人の子供達が登園登校

9月1日の新学年初日、グリーンゾーンに指定された地域の幼稚園児、子どもたち240万人は、学校に戻ることができた。

www.jpost.com/israel-news/back-to-school-israels-leaders-greet-students-throughout-country-640685

しかし、3年生と4年生は、1クラス18人までとされていることから教室が不足する。このため、5年生と6年生が登校するのは週一回金曜のみの登校とのこと。

また第二波が、エルサレムの高校で発生したクラスターからはじまったことから、中高生はまだ登校が許されておらず、オンライン授業での新学年となる。これについては、家にコンピューターがない子どもたちも少なくないことが問題となっている。

登校については、政府の方針も変わる上、地域別、一時学校教師がストをするなど、状況はかなり流動的で家庭に混乱ともたらしている。

1日に登校できた子供達は、明日学校へ行くかどうかが、国会で決定されたのが前夜遅くであったため、子供達は明日登校するのかしないのか、わからないまま就寝したとのことであった。

エルサレム近郊入植地のベイタル・イリットは、赤信号地区なのだが、前夜に、9月1日から予定通り新学年を始めるとの連絡があったため、親たちは子どもたちを学校へ行かせた。しかし、まもなく迎えに来るよう、連絡がきたという。

www.timesofisrael.com/schools-open-in-red-zone-beitar-illit-despite-ban/

一方、赤信号エリアとされた、ティベリア、ウムアルファハン、ダリアットエルカルメルなどの北部、アラブ人地域、超正統派地域、南部アラブ、ドルーズ地域など、23地域では、学校はまだ閉鎖とされ、子供達は登校できなかった。(332校、716幼稚園など)

これらの学校については、明日3日に、開校するかどうか再検討される。

9月18日:秋の例祭中シナゴーグ・教会での集会について

現在の大きな課題は、9月18日の新年祭を皮切りとする秋の例祭シーズンである。1年でユダヤ人、クリスチャンが最大限、イスラエルに押し寄せる時期である。外国人はまだイスラエルに入国できないが、世界各国にいるイスラエル人やユダヤ人は入国してくることになる。

また、この時期、嘆きの壁、各地シナゴーグでは、集団で祈りが捧げられる。ガムズ教授は、シナゴーグについて厳しい規定を設けた。

それによると、巨大なホールの場合は、1人につき4平方メートル(間隔2m)。どの場所で何人まで許可するかは、地域の信号わけはじめ、ホールの大きさ、入り口の数などから判断して指示される。

出席人数250人以上の場合は、屋外屋内にかかわらず、どんな着席状況になるかを市町村に提出して許可をもらうこと。礼拝については、グループを決めて着席する。そのグループはいつも同じメンバーとする。同居家族以外は、間隔2mあける。責任者一人が監督する。

これでもまだクリアではないとのことで、例祭直前にまた詳しい指示がだされることになっている。

こうした細かい指示がシナゴーグに出されていることについて、超正統派のリッツマン前保健相はじめ、ユダヤ教超正統派政党は、「2万人という大規模な反ネタニヤフ首相デモには、なんの感染予防の制限がないのに、シナゴーグの集会には、これほどの制限を設けるのは、矛盾ではないか。」と訴えている。

ガムズ教授の信号プランは、国会でも承認されたため、秋の例祭中も継続される予定である。しかし、果たして実現できるのか、効果はあるのかは、まだ見通せない状況が続いている。コロナ対策については、イスラエルも例外なく、試行錯誤しているようである。

www.timesofisrael.com/whats-the-traffic-light-plan-all-you-need-to-know-about-the-new-virus-rules/

石堂ゆみ

石堂ゆみ

ジャーナリスト、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイド、イスラエル政府公認ガイドとして活動しています。 イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて18年。学校・企業・教会などで講演して15年になります。