ガザで救急車など攻撃で15人死亡に関係したイスラエル軍将校ら解任 2025.4.21

This image grab from a handout video reportedly recovered from the cellphone of an aid worker killed in Gaza alongside other rescuers and released by the Palestine Red Crescent Society on April 5, 2025, shows ambulances with their emergency lights flashing and a rescuer near one of the vehicles in Rafah in the southern Gaza Strip, according to the PRCS. (Palestinian Red Crescent/AFP)

今年3月23日に、ガザ南部ラファで救急車や消防車、救急車などが攻撃され、救助隊員ら15人が死亡した事件。世界はイスラエルの非人道的な攻撃だと非難していた。

これについて、イスラエル軍は、この攻撃が、部分的で不正確な情報に基づいたミスだったと認め、関与したイスラエル軍ゴラニ旅団偵察部隊の副司令官を解任とした。

また、この当時、ラファでの作戦の責任を担っていた第14装甲旅団にも全体的な責任があるとして追求が行われている。

調べによると、3月23日午前2時半ごろ、ゴラニ部隊は、第14装甲旅団の元で、道路での待ち伏せをしていた。

午前3時57分ごろに車両が近づいてきたところ、ハマスの警察車両と誤って攻撃したが、その後で、救急車であったことがわかった。この時2人が死亡。3人を連行していた。その後二人は釈放された。

この間も待ち伏せは継続されていた。その間にも救急車、消防車など数台が、通過していたとのこと。しかし、その後の5時6分、待ち伏せしていた部隊は、上空を監視していたとみられるドローン担当者から、不審な車両が近づいているとの情報を受けた。

この時は、救急車だったとはわからず、3分間発砲。近づくと非武装の人々に発泡していたことに気がついた。

5時18分、国連の車両が近づいてきた。この時は、イスラエル軍は、車両を近づけまいと、プロトコールに違反して、銃撃したところ、UNRWA職員を殺害する結果となった。

その後、部隊は、15人の遺体が野犬に襲われないようにと1箇所に埋めて、砂をかけ、国連に遺体を回収するよう、連絡。道を阻んでいた車両をブルドーザーで退けようとしたところ、車両を破壊する結果になった。

国際社会からの非難に対し、イスラエルは、ミスがあったことを認め、それを隠さず、明らかにしたということである。

なお、この一連の事件で、パレスチナ人15人が死亡したが、このうちハマスの工作員は6人であったとイスラエル軍は言っている。

www.timesofisrael.com/idf-ousts-officer-over-killing-of-15-rescue-workers-in-gazas-rafah/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。