目次
これほどの大規模な山火事になった原因について、捜査が行われている。ハマスによるSNS上の放火扇動もあり、パレスチナ人による放火の疑いが出ている。
一方で、気象庁の異常気象による山火事の可能性への警告は数日前から出されていたこと、また空軍が、大規模な山火事に備えて、大きい空軍機の準備を提示していたのに、政府当局がこれに応じなかったことなども、問題として上がり始めている。
東エルサレム在住容疑者逮捕:放火は断定できず?
警察は、山火事の原因が放火にある可能性もあるとして、捜査していたが、昨日、東エルサレム、ウム・トゥバに住むアラブ人男性(50)を、容疑者として逮捕した。
この男性は、ライターと綿やウールを所持していたという。一旦、逃亡を試みたが、逮捕された。しかし、その後決定的な証拠はないとの情報がある。
パレスチナ人SNSでハマスが放火扇動
エルサレムの山で大規模な火災になる中、ハマスによるパレスチナ人のSNSで、山火事を謳歌するものや、さらなる放火を扇動するようなSNSが出回っていることがわかった。
それによると、ハマスは「西岸地区、エルサレム、イスラエル国内にいる若者よ。車や周りに火をつけよ。ガザはお前たちによる復讐を待っている」と書いている。
またジェニン・ニュースにも、入植地周囲に火をつけよと扇動する投稿もあった。
www.jpost.com/breaking-news/article-852155
これを受けて、宗教シオニスト党の極右議員ツビ・スコット氏は、ネタニヤフ首相に対し、西岸地区のパレスチナ人の村に門限と封鎖を命じるように要請する手紙を出した。
西岸地区では、これまでからも、極右のユダヤ人たちが、パレスチナ人の村に放火するなどの暴力に出ているので、反撃を恐れているものと思われる。
警察とシンベトは、山火事の原因について、放火の可能性も含め、調査を行なっている。しかし、パレスチナ人による放火かどうかは、まだ確定ではない。
そうした中、30日(水)、ネタニヤフ首相の息子が、「この異常気象を利用してパレスチナ人が放火し、独立記念日を混乱させたかったのだ。それを国内の左派が支援しないことを願う」とSNSに投稿。妙な噂を拡散する原因になったのではとも問題視されている。
www.ynetnews.com/article/rk609kxlel
気象庁の警告と空軍の提案を無視した政府当局
気象庁は、数日前から、異常気象と山火事の可能性を政府に警告していたという。確かに、戦没者記念日の時にはすでに、異常な暑さと、乾燥、強風も始まっていた。
また山火事に備えて、より大量の物資を運搬できる大型飛行機の準備を空軍が提案していたが、政府当局はこれにも応じず、なんの準備もしていなかったと指摘されている。