国際社会:停戦への試み本格化 2014.7.22

停戦については、再度の国連主導の人道的休戦など、様々な情報が飛び交っているが、どれもまだ実効的なものはない。

ネタニヤフ首相は、「イスラエルはエジプトの停戦案に応じ、国連の休戦要請、赤十字の休戦要請などすべて受け入れてきた。(停戦発動中は攻撃しなかったということ)。

しかしハマスはそのどの停戦にも応じず、人道休戦中にもイスラエルへの攻撃を続けた。停戦が成立しないのはハマスが拒否しているからだ。」と述べた。

<停戦への険しい道のり>

ハマスは、イスラエルに全面的に譲歩を要求する独自の停戦案を出しており、それ以外の条件では停戦に応じないと言っている。カタールで、ハマスのマシャアル政治部門指導者と会談したアッバス議長は、このハマス案を支持する意向を表明している。

しかし、イスラエルが、ハマスの要求を飲むことはありえない。逆にイスラエルは、停戦の条件として、ガザの非武装化に向けて国際社会が間に入ることなどを要求しているが、ハマスがこれを受け入れるとは考えられない。

イスラエル国内では、ガザの地下トンネルがここまで深刻になるまで放置した国への疑問も出始めている。今回、イスラエルは、ガザの地下トンネルを”安全”と確信できるまで破壊し尽くすまでは、イスラエルも攻撃を途中放棄することはなさそうである。

21日、国連のバンキムン事務総長に続いてケリー米国務長官もカイロ入りした。ケリー国務長官は、「単なる一時的な停戦では解決にならない。根本的な問題がある。その根本的な問題を解決しないと、同じ事の繰り返しになる。」と停戦にとどまらない解決が必要との認識を語った。

アメリカはとりあえず、ガザ地区へ人道支援として4700万ドル(50億円)を支援すると約束した。この3分の1は、現在避難所を提供している国連難民機関への支援になるという。

アラブ首長国連邦も、破壊された家などの回復のために、赤新月社を通じて4100万ドル(45億円)を支援すると発表している。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4547918,00.html

国連事務総長は22日、イスラエルのネタニヤフ首相と会談予定。しかし、専門家は、「現時点では、国連事務総長の影響力はほとんどない。何かが動くとすれば、アメリカとエジプトの仲介だろう。」と分析している。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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