国内外から噴出する停戦への訴え:停戦後ガザ復興案の違いは明確 2025.5.18

Arab leaders pose for a group photo ahead of the opening session of the 34th Arab League summit in Baghdad on May 17, 2025. (Hadi Mizban / POOL / AFP)

激しい攻撃と、悲惨なガザからの報告を受け、国内外からは、直ちに停戦を求める声が相次いだ。国連はじめ、ヨーロッパ各国、中東アラブ諸国からも直ちに停戦するよう、イスラエルへの非難が高まっている。

www.france24.com/en/middle-east/20250517-world-leaders-urge-israel-to-stop-its-deadly-military-offensive-in-gaza

しかし停戦するだけでは解決にはならない。その後どうするかが停戦になるかどうかに大きな影響を与えるが、そこでも大きな溝があり、解決の見通しは見えない。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/police-say-8-arrested-over-brawls-with-cops-counterprotesters-at-rallies-this-evening/

1)アラブ連盟(22カ国)からの呼びかけ

5月17日(土)には、バグダッドでアラブ連盟(パレスチナ自治政府含む22カ国)が集まり、イスラエルに対して、攻撃を止めるよう、圧力をかけた。エジプトのシシ大統領はイスラエルの行動は「計画的なジェノサイドだ」と述べている。

一方、Times of Israelによると、パレスチナ自治政府(PA)のアッバス議長は、ハマスに対し、権力と武器を明け渡して、降参するよう訴えた。

PAは、かつてガザも西岸地区のように統括していたが、2007年にハマスに、武力でガザを乗っ取られた。しかし、今、ガザが崩壊する中、アラブ連盟はPAを立てる形でのガザ復興を提案している。アッバス議長としては、ハマスに早く降参してほしいところだろう。

www.timesofisrael.com/leaders-at-arab-league-summit-push-for-gaza-ceasefire-pledge-reconstruction-money/

2)アメリカはイスラエル攻撃止めず:ガザ100万人をリビアへ移住計画進行中と

これは、イスラエルとトランプ大統領の停戦案と対立している。トランプ大統領は、ガザから市民200万人を第三国に出して、ガザを一掃、その後はアメリカが“管理”してリゾート地にすることを提案。イスラエルもこれに合意している。

このため、トランプ大統領は、戦争は反対としながらも、イスラエルが大規模なガザ攻撃を開始することについては、積極的には止めようとはしていない。

戦争が始まってから、アメリカが、実際に100万人のガザ市民をリビアへ移住させる案が動いていることが、世界中で報道されている。

www.timesofisrael.com/us-reportedly-developing-plan-to-resettle-1-million-gazans-in-libya/

3)イスラエル国内でも全国で人質解放を訴えるデモ

17日(土)は、毎週の人質解放ラリーの日である。停戦を訴えるデモは、イスラエル各地でも大規模に行われた。

キリアット・オノでは、警察との衝突も発生し、8人が逮捕された。

www.ynetnews.com/article/hyqcmiuwex

 

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。