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エルサレム嘆きの壁での祭司の祈り
過越の中日は、祭司が嘆きの壁で、国全体のために祈りを捧げ、祝福を宣言する日である。今年は4月15日(火)がその日にあたり、嘆きの壁は、祝福を得ようとする人々で埋め尽くされた。
「祭司」とは、聖書に出てくる、モーセの兄であるアロンとその氏族とされる人々のことで、後には、コハニムと呼ばれ、エルサレムの神殿での働きをしていた人々のことである。
これは、役職ではなく、血縁で決められるで、現代においては、ユダヤ人氏族の中で、コーヘン氏、コーエン氏、カーン氏などが、コハニムとされている。
この人々が、嘆きの壁の前で、その時代に必要な祈りを捧げるのだが、最後には、祈りのショールを被り、以下の民数記6:22-27からの祈りを読み上げて、祭司の祈りが終わる。
ついで主はモーセに仰せられた。「アロンとその子らに告げて言え。あなたがたはイスラエル人をこのように祝福して言いなさい。
『主があなたを祝福し、あなたを守られますように。主が御顔をあなたに照らし、あなたを恵まれますように。主が御顔をあなたに向け、あなたに平安を与えられますように。』
彼らがわたしの名でイスラエル人のために祈るなら、わたしは彼らを祝福しよう。」(民数記6:22-27)
*以下のクリップには、旧市街の嘆きの壁までの間の通路の様子が記録されている。なお祭司の祈りは、過越だけでなく、仮庵の祭りの中日にもある。
元人質だったエリヤ・コーヘンさんも祈り
Times of Israelの記事によると、今年は、ガザで人質であった、エリヤ・コーヘンさんも、祭司の一員として、嘆きの壁で祈った。
エリヤさんは、ガザで505日拘束され、今年2月に解放された元人質である。
母親のシガリットさんによると、エリヤさんは、人質になる前は、世俗的だった。このため、世俗的な若者文化の頂点のような、ノバ音楽フェスに参加していて、ハマスに拉致されていた。
しかし、ガザにいる間に、神に立ち返ったことで、支えられたとエリヤさんは語っており、開放後は、コーヘン氏の一員として、祭司の祈りを捧げに来たという。
シガリットさんは、エリヤさんが、ここに来て祈る日が来るように、ずっと祈っていたという。「息子は生まれ変わった」と深い感動を語り、同じ祈りで他の人質が解放されるように祈ると言っている。
エリヤさん自身は、ガザで、同じく、ノバ音楽フェスで拉致された、セゲブ・カルフォンさん(27)と、オヘル・アロンさん(23)と一緒だった時期があったことから、2人の写真を掲げて祈ったという。