イスラエルでは、昨日の日没から今日29日の日没まで、ティシャ・ベ・アブ(アブの月の9日)。「神殿崩壊記念日」と呼ばれ、エルサレムの神殿を失った事を悲しみ、神の前に罪を悔い改める日である。
各地のシナゴーグでは聖書の「哀歌」全5章が朗読される。”私たちの道を尋ね調べて、主のもとに立ち返ろう”哀歌3:40 *「哀歌」はヘブライ語でも「Eicha エイカ」。
今日の嘆きの壁は、祈りにくるユダヤ人で通常より混み合っている。多くの人が地べたに座り込んで祈っている。ラマダン中のイスラム教徒との衝突を避けるため、ユダヤ人が神殿の丘に入らないよう、多数のフル装備のイスラエル軍兵士が、入り口を警備していた。
<悲劇の記念日>
この日は、ソロモンの第一神殿が、バビロンによって焼き尽くされた日。さらに第二神殿がローマによって焼き尽くされた日も同じアブの月の9日目であったといわれている。この他、最も古いところでは、モーセにスパイとして送られた12人の否定的な知らせを聞いて立ち上がらなかったため、神の怒りをかい、40年間、約束の地へ入れなかったことを覚える。
近代では1492年、スペインのユダヤ人追放(迫害を伴う)があったのもこの日とされる。最近では2005年のガザ撤退もこの時期であったとして、ティシャ・ベ・アブの悲劇の一つに数えることが検討されている。