一桁違う、トルコの賠償金感覚 2013.3.28

22日、マルマラ事件に関して謝罪したイスラエル。トルコ人犠牲者9人の家族に支払う賠償金についての交渉が始まっているが、実際に両国が和解に入るまでにはまだ隔たりがあるようだ。

イスラエル政府が、犠牲者1人あたり10万ドル(950万円)を提示したのに対し、トルコは1人あたり、100万ドル(95000万円)を要求。その差はなんと0一つ、一桁にのぼることがわかった。

これについてイスラエルは、トルコ軍が戦死者の遺族に支払う賠償金は7万ドル(600万円)ではないかと反論した。

イスラエルの方から謝罪したのだが、マルマラ号事件の状況では、トルコ側にも非があることは明白である。当時、マルマラ号はイスラエル海軍の警告に対し、「アウシュビッツへ帰れ。」というようなひどい返答をした。

警告に従わないマルマラ号に乗り込んで停止させようとしたイスラエル兵を迎え撃つようにして殴りかかるトルコ人の様子をとらえたビデオもある。

イスラエルがガザ沖を海上封鎖するのは、イランからガザへ武器を搬入しようとする大型船が何度も拿捕されているからである。トルコは、この海上封鎖についても解除を求めている。

トルコへの謝罪については、ヤアロン国防相、ガンツ・イスラエル軍参謀総長も、シリア問題に対処するためと考えるネタニヤフ首相に同意している。しかし、リーバーマン元外相、ユダヤの家党党首で通産相のベネット氏が「深刻な誤りだ」と訴えた。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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