ベン・グリオン空港にフーシ派の弾道ミサイル着弾:6人負傷・旅客機発着に影響 2025.5.4 23:00

Smoke in the area of Ben Gurion Airport after a ballistic missile was fired at Israel from Yemen on May 4, 2025 (Screen grab from social media used in accordance with Clause 27a of the Copyright Law)

ここ数日、イエメンのフーシ派がイスラエルに向けて、弾道ミサイルを発射し続けており、ハイファやテルアビブ、エルサレムでもサイレンが鳴って、人々がシェルターに駆け込むことが続いていた。

こうした中、5月4日朝9:22(日本時間午後3時半ごろ)、エルサレム、テルアビブ含む広範囲でサイレンがなった。

その後、まもなく、ベン・グリオン空港(エルサレムとテルアビブの間にある)敷地内の空港に続く道路脇にミサイルが着弾。6人が負傷した。

負傷者は、男性(50代)が足に中等度の負傷、もう一人の男性(64)は着弾の際の破片で軽傷、女性2人(54、38)は衝撃はで負傷、女性2人(22、34)はシェルターに駆け込む際に軽傷となっている。

 

ミサイルは、イエメンのフーシ派が発射した弾道ミサイルで、まず、アロー迎撃ミサイルをすり抜け、続いてアメリカ製のTHAAD(終末型高度防衛ミサイル)もスルーして、着弾していた。

(Magen David Adom)

着弾した地点には、直径、深さともに数十メートルの大きな穴になっている。

爆発の穴の大きさ、着弾した場所を考えると、死者も重傷者もいなかったことは、奇跡だった。

ベン・グリオン空港は、一時的に空港を閉鎖したが、約1時間後に解除した。

しかし、ドイツのルフトハンザ、スイス・エア、オーストリア航空、ブリュッセル航空が、5月4日中のベン・グリオン乗り入れを停止(今の所24時間の予定)するとHP上で表明している。

続いてスペイン航空、エア・ヨーロッパも乗り入れを停止する予定である。

フーシ派は、イスラエルのレーダーシステムをスルーする新しい低音弾道ミサイルだとして、「空はもはや安全ではない」と述べ、国際航空は、ベン・グリオン空港への発着を控えるべきだと表明した。

しかし、イスラエルは、これが新しいタイプのミサイルであることは否定。いつもながら、イスラエルのエルアル航空は、乗り入れを停止していない。

人々はまたエルアル航空に乗り換えなければならないため、同社の株が、すでに5%上がったとのこと。

ネタニヤフ首相は、午後7時(日本時間午前1時)、閣議を招集しており、ガザやシリアなど、他の治安問題も含め、フーシ派への対処も話し合うことになっている。カッツ国防相は、「だれであれ、我々を攻撃する者は、7倍返しを受ける」と表明している。

野党のベニー・ガンツ氏は、政府に対し、「目を覚すべきだ、背後にいるイランこそがこの責任者だ」と要求。Xにも「これはフーシ派ではなく、イランが責任を負うべきだ」と表明した。

その後、イランでは、2つの都市マシャドとコムで、かなり大規模な爆発が発生しているのが目撃されている。マシャドでは、バイクの工場が爆発したようだが、詳細は不明。

www.ynetnews.com/article/h1q0zlslee

www.timesofisrael.com/houthi-missile-hits-grounds-of-ben-gurion-airport-after-interception-fails-6-injured/

www.ynetnews.com/article/hy5upcvexg#autopla

なお、3月18日に、イスラエルがガザへの武力行使を再開して以来、フーシ派が、イスラエルに向けて発射した弾道ミサイルは、27発に上っている。

 

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。