トランプ米大統領も参列の故フランシスコ教皇葬儀:イスラエルは在バチカン大使派遣のみ 2025.4.18

(Photo: Reuters/GIL COHEN-MAGEN/Pool, AP)

世界13億信者カトリックの教皇に世界が表敬

4月26日(土)バチカンでは、故フランシスコ教皇の葬儀が行われた。全世界にいるカトリック信者13億人を代表する教皇の葬儀である。各国からは首脳たちが参列した他、参列者は40万人という大規模な葬儀であった。

首脳は、あの話題沸騰のトランプ大統領はじめ、フランスからマクロン大統領、イギリスからは、スターマー首相とウイリアム皇太子が出席。日本からは岩屋外相が出席した。

Ukrainian Presidency

また、ウクライナからは、ゼレンスキー大統領も参列していたことから、トランプ大統領とゼレンスキー大統領が、2人きりで向きあって話す様子が、世界中に報じられていた。

これを促したのは、フランスのマクロン大統領と、イギリスのスターマー首相だった。

総じて、国の首脳を参列させた国は54カ国。その他、イランを含む、全部で164カ国が代表を参列させていた。世界が一同に会する大イベントであった。

イスラエルとバチカンの亀裂

こうした中、ネタニヤフ首相は、ICCの逮捕状もあり出席できないのだが、せめて本国から、正式な代表を派遣すべきところ、在バチカンのイスラエル大使のヤロン・サイドマン氏を出席させただけであった。

他国とは、あまりにもレベルに差があり、ボイコットの失礼に当たる可能性もあるという。元在バチカン・イスラエル大使であった、ラファエル・シュッツ氏は、これは、外交の常識から逸脱していると懸念を表明している。

また、フランシス教皇が死亡した際、国際社会の首脳たちが直ちに、追悼を表明したのに対し、ネタニヤフ首相は、3日も経ってから、追悼を表明していた。

Wikipedia commons

故教皇フランシスコは、アルゼンチン生まれの気さくな笑顔の教皇で、へりくだった姿勢や、人々への愛の表現もあり、世界的に親しまれた教皇であった。

またカトリック内に広がる汚職も摘発するなどして、尊敬も集め、世界的にカトリック教会を活発化させたと言われている。

しかし、晩年は、パレスチナ人に共感する立場になり、昨年クリスマスには、まぶねに寝かされたイエス像が、パレスチナのスカーフに横たわらせていたことから、イスラエルでは物議となっていた。

晩年、亡くなる直前まで、ガザのカトリック教会に、毎日のように、電話をかけていたとのこと。

www.ynetnews.com/article/s1xoji9jex#autoplay

今、何かイスラエルに非難が出たわけではないが、将来にむけて、世界的なイスラエルの孤立も思わされる一件であった。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。