シリア:化学兵器について記者会見 2012.7.24

シリア情勢において、現在、イスラエル最大の懸念は、シリアにある生物化学兵器や、大陸間弾道ミサイルがヒズボラの手に渡ることである。万が一、そうした動きになれば、イスラエルは軍事力を用いてでも阻止するとして、慎重に情報収集が行われている。

シリアの外務省は23日、それらの大量破壊兵器について記者会見を行い、シリア政府軍が、生物化学兵器を確保・管理していることを認めた。

その上で「そうした兵器は、外国からシリアが攻撃された場合にのみ使うもので、国内で同じシリア人に対して使用することはない」と発表した。*つまり外国からの攻撃に対しては使うということ。

<じわじわ近づいている!?ゴラン高原近くでも戦闘>

シリアでは、首都ダマスカスからシリア第二の都市アレッポにまで戦闘が広がっている。先週は自由シリア軍(反体制派民兵軍)が優勢だったが、政府軍はヘリコプターや戦車を使い反撃しているもよう。

先週、ゴラン高原からもシリア国境近くで戦闘の様子が見えていたが、今日はシリアとイスラエルの間の非武装地帯のすぐ近く(シリア側)に迫撃砲が着弾するのが観測された。*これは流れ弾で、イスラエルを狙ったものではないことが確認されている。

<増える難民>

BBCによると、内戦による死者はこれまでに19000人を超え、現在シリア国内でホームレス難民となっている市民は150万人と推測されている。その他、トルコには42600人、ヨルダンには34700人、レバノンに29900人、イラクにも7500人となっている。

イスラエルもシリアと国境を接しているが、間に非武装地帯がある。先週末、シリア難民とみられる500人と車両50両が、シリアとイスラエルの間の非武装地帯に侵入したという報告があったが、それ以後の動きはない。イスラエルは、この件を国連に苦情として提出している。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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