シリアの包囲地区へ国連が支援物資の投下開始 2016.2.25

シリアの内戦により、いよいよ大量の人間が餓死しようとしている今、ロシアのプーチン大統領とオバマ大統領が電話で会談し、ダマスカスの時間で、今週末土曜深夜から、休戦に入るとの合意に至ったと発表した。

ロシアとアメリカが戦闘状態にあるわけではないが、ロシアが支援しているシリアの政府軍と、アメリカが支援している反政府勢力にそれぞれが停戦させるということである。

前回の停戦が失敗に終わって今回2回目の挑戦だ。しかし、今回もISISとアルヌスラ系組織への空爆は継続するということで、停戦が実施されるかどうかは、まだ先行きは不透明である。

なお、ISISは先週日曜、ダマスカスとホムスで爆弾テロを実行して計140人ほどを殺害しており、凶暴性は変わっていない。

BBCによると、この停戦への挑戦に先立ち、国連は、先週から人道支援物資の搬入を開始している。今日は、空からの人道支援物資の投下を開始した。投下したのは、20万人が包囲されているとみられるアルツォルで、21トンの支援物資が投下された。

国連によると、現在、48万人が包囲網の中におり、400万人が、”到達困難な場所”にいるという。ダマスカス時間で土曜深夜に開始される予定の一時停戦が実現すれば、これらの町にも支援物資を届けることができるかもしれない。停戦が実現するようにと願う。

またすでに支援物資を搬入している国連スタッフを覚えて祈りが必要である。

www.bbc.com/news/world-middle-east-35654483

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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