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シリア政府が旧アサド勢力制覇に向けた攻撃開始:数日で745人死亡
昨年12月に立ち上がったシリアの新政権は、国内に乱立する勢力を超えた政権を立ち上げようとしている。
しかし、新政権が、打倒した旧アサド一族とその支持者は、不満を持ち続けており、治安を脅かす存在になっている。
このため、シリア治安部隊は先週から、旧アサド勢力アラウィ派が多く住む沿岸都市ラタキア地域への攻撃を開始した。(紫エリア)
地域では戒厳令が宣言され、新政権設立以来、最も激しい衝突になっている。
今はシリアを支配する政権とはいえ、前は残虐なテロ組織である。
この攻撃では、子供や女性を含む市民の死者数は、どんどん増え、1日経った現時点で、すでに745人と報じられている。イギリスに本拠地を置くシリア人権監視団隊によると、その殺戮は、処刑とされ、財産の略奪も伴っているとのこと。
また、殺害されているのは、アラウィ派だけでなく、その地域にいるクリスチャンたちも殺されているようである。現地の牧師が、多くの家族がすでに殺されたとして、緊急の祈り要請を発信している。(知人経由情報)
シリア政府のシャラア暫定大統領は、旧アサド反政府勢力に対し、早く投降するよう呼びかけている。
イスラエルは警戒:カッツ防衛相はシリア新政権をアルカイダだと非難
イスラエルはシリアと国境を接している。シリアの新政権を導くアル・シャラア暫定大統領は、軍服をビジネススーツに着替えて、シリアを多様性に寛容な近代的な国にしようとする動きを見せている。
しかし、アル・シャラア暫定大統領は元アルカイダなので、世界はまだ懐疑的である。
またシリアには、多種多様な多くのテロ組織が混在しており、この状態で、平和な国にするのは、かなり困難というのが現状である。
イスラエルは、シリアが再び内戦になる可能性に備え、シリア南部の国境を接する地域に、緩衝地帯を設け、ヘルモン山にも軍を駐留させて、監視を続けている。(紫の部分)
これらの地域は、昨年12月に今のシリア政権が旧アサド政権に反旗をひるがえしたドタバタの中で、すばやく制圧した地域で、イスラエルはその地域からはあらゆるテロ組織を排斥し、非武装化を目指している。
最近では、緩衝地帯からはみ出して、シリア南部領内にある武器庫や軍事施設へ攻撃も行っている。またシリア南西部にいるドルーズ族を保護するようにとの警告も発していた。
こうしたイスラエルの介入に対し、シリアからは、「イスラエルによるシリアへの侵略行為」だとして国際社会に、イスラエルをやめさせるよう、訴える動きも出ていた。
www.timesofisrael.com/idf-says-it-seized-destroyed-weapons-in-targeted-raids-in-southern-syria/
しかし、シリアで今、激しい衝突になり、残虐な様相になっていることを受け、イスラエルのカッツ国防相は、「シリアの新政権は、まともにみせようとしているが、結局はアルカイダだ」と非難。イスラエルは、自国の防衛のためには、活動を続けると発表した。