16日、シナイ半島とイスラエルの国境、タバ(エジプト側)で、観光バスが走行中に爆破されるというテロ事件が発生した。このテロで韓国人観光客3人とエジプト人運転手1人が死亡。数十人が負傷した。
バスに乗っていたのは韓国人観光客32人で、シナイ山のセントカテリーナ修道院を出て、イスラエルに向かっていたところだった。
イスラエルは、エイラットの病院をスタンバイさせ、タバに救急車を多数派遣して負傷者を受け入れをエジプト暫定政府に申し出たが、エジプトはこれを拒否。負傷者は、シナイ半島内の病院に搬送されている。
タバの国境は一時閉鎖されたが、現在は再び双方とも開放している。シナイ半島には現在、イスラエル人が100人以上いるとうことで、彼らが無事に帰還することが望まれている。
シナイ半島はムバラク政権が失脚して以来、ベドウインやアルカイダ系とみられるテロ組織で無法状態となっている。彼らの標的は、これまでは、エジプトの警察官やエジプト軍兵士だった。
ところが今回、外国人観光客が犠牲となっている。単発の犯行である可能性もあるが、テロ組織がエジプトの経済にダメージを与えて、現(暫定)政権を打倒しようという方針に切り替えたのではないかとの分析もある。