サウジアラビアで今年もハッジ始まる:昨年1300人死亡で予防策も 2025.6.5

イスラム教では、6月4日(水)から、ハッジと呼ばれる宗教行事が始まった。これは、イスラム教の本山、サウジアラビアのメッカに出向いて(巡礼)神に祈るという重要な行事である。

イスラム教では、一生のうち、一回はメッカに行くとされており、昨年は、140万人以上がサウジアラビアに来ていた。今年も6月1日以降、メッカに入った人は、すでに26万9000人となっている。

メッカでは、グランドモスクに行き、その周りを大勢が回るようにして祈るのだが、昨年のハッジでは、異常な暑さの中、脱水や熱中症などで1300人以上が死亡した。このため、今年、サウジアラビアはさまざまな対策をとっているという。

BBCによると、12歳以下の子供の入場は禁止となった。また会場には、何千もの木を植えた他、気温が、44度以上になった時に稼働する、数百のクイーリングスポットが設営されている。

昨年、死亡した人の80%は、無許可で入ったエジプト人、インドネシア人だったことから、今年は入場許可を持つ人だけが入るとし、違反した者は罰金5000ドル。さらにむこう10年、サウジアラビア入国禁止になる。

巡礼者は、メッカでの祈りの後、5キロ離れた、モハンマドが説教をしたと言われている、ミナというところへ行くことになっている。

ここでは2015年に、将棋倒しが発生し、2300人が死亡する事故が発生していた。

www.bbc.com/news/articles/cn05p1369eeo

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。