21日、青白党のガンツ氏は、アラブ政党の支持を必要とする小政府の立ち上げを断念。期日までに連立政権を完成できなかったとして、その権威をリブリン大統領に返上した。
これをうけて、リブリン大統領は、エデルステイン国会議長に、この先21日以内に、国会議員の中から、過半数の指示を集めて連立を立ち上げることのできる人物がいれば、その者を首相として連立を形成するようにとの要請を出した。
これは、イスラエルの基本法に基づくものだが、イスラエル史上初のことである。ネタニヤフ首相が2回失敗し、ガンツ氏も失敗した今、いかなる国会議員でも過半数を占める人物がいるとは考えにくく、たとえ、政権がたちあがったとしても、何かをまとめることはできず、すぐに解散になる可能性が高い。
結局、3回目総選挙になる可能性が濃厚となった。
www.timesofisrael.com/a-time-of-unprecedented-darkness-rivlin-passes-coalition-building-buck-to-mks/
<物別れとなったネタニヤフ・ガンツ最終会談について>
結局、統一政権は立ち上がらなかったが、これに先立ち、ネタニヤフ首相とガンツ氏は、統一政権の可能性をめざして2回会談を行った。
統一政権にするには、ネタニヤフ首相が、右派ブロックを解散し、ユダヤ教政党から分離して、リクードが単一政党に戻ることをガンツ氏は条件とする。これをネタニヤフ首相が受け入れることはなかった。
一方、ガンツ氏陣営でも、No2のラピード氏は、ネタニヤフ首相がユダヤ教政党から分離しないなら統一政権はないと主張。No3のヤアロン氏は、アラブ政党に頼る小政権はありえないと主張したため、結局、統一政権に向けた党の意思を統一することができなかった。
ネタニヤフ首相の右派政権から離脱してこの混乱のきっかけとなり、キングメーカーと呼ばれたリーバーマン氏(イスラエル我が家党)は、連立を組まないと言った場合、その相手方につくと述べて、両者に統一政権への歩み寄りを迫っていたが、双方ともに、統一政権に合意しなかったわけである。
実際のところ、リクードも青白党もシオニズムに関してはあまり変わりはないのである。それなのに、国をまとめられないのはどういうわけか。国のためよりも自分の主張にこだわるからだとの批判的な記事もある。
リーバーマン氏は、ネタニヤフ首相は、ユダヤ教政党に弱みを握られ、ガンツ氏は、アラブ政党にその行方を握られているとして、強い落胆を述べた。
www.timesofisrael.com/netanyahu-again-calls-on-gantz-to-hold-one-on-one-coalition-talks/
<新しいリクード党首を選ぶ時!?:ギドン・サル氏>
国会に連立立ち上げが依頼される事態となったことを受けて、リクード内部で、ネタニヤフ首相の最強のライバル、ギドン・サル氏(52)が、3回目総選挙に備えて、リクードの党首を新しくするべきだと主張。立候補すると述べた。
www.timesofisrael.com/likuds-saar-calls-for-leadership-primaries-declares-bid-to-unseat-netanyahu/
あくまでも首相にとどまろうとするネタニヤフ首相は、以前にサル氏が、この案を出した際に、リクード内部での党首選は行わないという決議を出している。リクードには、ネタニヤフ首相に忠信なメンバーが多いからである。
ネタニヤフ首相が、起訴された今、リクードがどう出てくるのかというところか。。