ガザ食料配布所近くでIDF銃撃31人死亡か:イスラエルとGHFは事実ではないと反論 2025.6.2

Displaced Palestinians push a cart with bodies after people were reportedly hit by gunfire near a food distribution center in Rafah in the southern Gaza Strip on June 1, 2025 (AFP)

ラファ食糧配布所近くでイスラエル軍銃撃で31人死亡と報道:イスラエルは否定

ガザ南部、ラファでは、先週、イスラエル軍の協力の元、アメリカのGHF(ガザ人道団体)が、2か所の物資供給センターでの食料等の配布を開始し、これまでに400万食を配布したと報告している。

しかし、6月1日、ガザ保健省(ハマス)が、ラファの配給センター付近で、食糧を受け取りに来ている人々に対する銃撃があり、少なくとも31人が死亡したと発表し、世界中のメディアがこれを報じた。

その後、国際赤十字野戦病院が、子供や女性含む179人が病院に運び込まれ、少なくとも21人が死亡したと発表。この病院の病床数は70なので、大混乱だったと語っている。

ハマスは、発砲したのはイスラエル軍だったと主張した。イスラエル軍は、当初、調査すると表明していたが、数時間後、配給所から1キロ離れた地点で、威嚇射撃を行っていたが、配給所付近での、ガザ市民に対する発砲はしていなかったとこの訴えを否定した。

アメリカのGHFもこれを否定。特に大きな混乱なく、ラファの配布センターから食糧をもらって出てくる人々の様子を発表した。

またイスラエル軍は、ラファではなく、ハンユニスで、パレスチナ人テロリスト(ハマスかどうかは断定していない)が、食糧をとりに来たガザ市民を銃撃し、実際に撃たれた人が倒れる様子を写したドローン映像を公開。

ガザ市民を殺しているのは、イスラエル軍ではなく、パレスチナ側のテロリストだと示唆した。

イスラエル軍は、「これは、イスラエル軍に対する深刻な疑いをもたらす虚偽の報告だ」と非難する声明を出した。

www.timesofisrael.com/hamas-says-idf-fire-killed-31-near-aid-hub-army-unaware-of-casualties/

続く国際社会からのイスラエル非難:グレタ・トゥーンベリさん(22)登場

GHFとイスラエルが行っているガザへの食料・物資配布センターは、国連を全く通していない。ハマスも一切関わらない方法なのだが、国連は協力を拒否。国際社会は、この方法は非人道的だとの非難を続けている。

なぜ非人道的かと言うと、市民は、遠く北部から食糧を取りに来なければならず、疲労や危険を伴うこと。また結果的にイスラエルとアメリカは、ガザ市民を南部に集中させようとしていると言っている。

こうした中、環境問題の活動家として知られるグレタ・トゥーンベリさん(22)が、6月1日、食糧を詰んだ船で、イタリアのシチリア島を出発し、ガザへ向かっている。

この船は、ガザ沖のイスラエル軍の封鎖に反発する組織のもので、いわゆる「フロティーラ」と呼ばれる抗議活動の一環である。

船には、グレタさんだけでなく、一部のEU議員も乗っているという。イスラエル軍との衝突も懸念されるところである。また、以下のTimes of Israelの報告によると、6月中旬に、エジプトからガザのラファに向かって、「世界のガザへのマーチ」が計画されているという。

イスラエルを非難し、その力追い出すことが正義になる。そんな時代が始まろうとしているようである。

石のひとりごと

報道は日々、不思議なほどに、イスラエルだけが悪いように流れている。ガザに外国メディアがいないので、何が起こっているのか正確にはわからないこともあり、世界はどんどん流されていくようである。

それにしても、冷静に考えればこれほど単純なことはない。ガザでの戦争は、ハマスが人質を全部引き渡して、ガザからいなくなれば、すぐにも終わる。なぜ世界は、気づかないのだろうか。

ガザの市民に苦難をもたらしているのは、イスラエルでなく、自らのイデオロギーのために、市民を犠牲にし続けているハマスであることに、なぜ気がつかないのだろうか。

聖書によれば、世界は最後に、イスラエルに何をしたかによって裁かれると明確に書いてある。

何度も言うが、主はイスラエルが完璧だから、この民を選んだのではない。彼らもまた、その罪をのがれることはない。しかし、主はこの国を、その証の国として一方的に選ばれた。

だから聖書には、最後に国単位で悔い改めて救われる日が用意されていることが書かれている。その時には、それぞれの国が、人が、この国に何をしたかが、判断されるのである。

見よ。わたしがユダとエルサレムの繁栄を元どおりにする、その日、その時、わたしはすべての国民を集め、彼らがヨシャパテの谷に連れ下り、その所で、彼らがわたしの民、わたしのゆずりの地イスラエルにしたことで彼らをさばく。彼らはわたしの民を諸国の民の間に散らし、わたしの血を自分たちの間で分け取ったからだ。
(ヨエル3:1-2)

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。