ガザ南部ラファでイスラエル予備役兵2人死亡:ハマスが新たな人質クリップを公表 2025.5.4

Staff Sgt. Cpt. Noam Ravid (L) and Yaly Seror (R), who were killed in a tunnel blast in Rafah, Gaza on May 3, 2025 (IDF)

ガザで予備役兵二人死

5月3日(土)、ガザ南部ラファで、建物の中に設営されていた地下トンネルへの入り口周辺を捜査中に、仕掛けられていた爆弾が爆発し、予備役兵二人が死亡した。

死亡したのは、エリート戦闘部隊のノアム・ラビッド大尉(23)と、ヤレイ・セロル軍曹(20)だった。これで、3月18日に、ガザへの武力行使が再開されてからの戦死者は416人となった。

またこの日は、ガザ北部での戦闘で、予備役兵が1人重傷に、ガザ市でも1人が中等度、1人が軽傷を負っていた。

ガザでは、3月2日以降、物資の搬入が止まって、人道上危機的な状況にあると言われている。

Times of Israelによると、ガザでは、30日(水)以降、国連や支援団体の物資倉庫の略奪が相次いでいるという。混乱が広がっているようである。

イスラエルは、ハマスを通さず、南部検問書1箇所での、物資搬入再開のシステムを提案しているが、多くの反対もあり、まだその見込みはたっていない。

www.timesofisrael.com/two-idf-soldiers-killed-two-wounded-in-blast-in-booby-trapped-rafah-tunnel/

人質プロパガンダ映像また公表

ハマスはまた人質の男性、ロシア系イスラエル人マキシム・ヘルキンさん(35)のプロパガンダビデオを送りつけてきた。

その中で、マキシムさんは、ひどく怪我をした様子で包帯に巻かれていたという。

ハマスは、マキシムさんが、イスラエルの空爆の下にいたと言っている。家族はクリップの公開は拒否している。

マキシムさんは、ロシア系ということで、プーチン大統領は、第二段階で解放する人質の中で、優先的に解放するようハマスと交渉していたようだが、第二段階自体がまだ始まっていないので、この案は成立しなかった。

ヘルキンさんは3歳の娘、モニカさんの父親である。

www.timesofisrael.com/hamas-publishes-new-propaganda-video-of-hostage-maxim-herkin/

イスラエルは予備役兵招集開始

イスラエル人にとって、人質のみならず、まだ彼ら自身の生涯が始まったばかりの若者が戦死することも耐え難いことである。

もう戦争は終わらせなければならないと感じている事だろう。

イスラエルは今、ガザへの本格的な攻撃を検討しており、昨日から、予備役兵の大規模な再招集が始まっている。

www.timesofisrael.com/idf-calls-up-tens-of-thousands-of-reservists-ahead-of-expanded-gaza-offensive/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。