ガザ南部トンネルで生存する人質ベドウィン男性1人保護：奪回人質8人目

イスラエル軍は27日、ガザ地区南部のトンネルにいたイスラエル人の人質カファルハン・アル・カディさん（52）を発見。保護した。イスラエル軍が武力で奪回する人質は、これで8人目になる。

イスラエル軍諜報部は、このトンネルの周辺に人質がいるのではないかとの情報を得たことから、海軍のエリート戦闘工兵部隊が、捜索をしていたところ、アル・カディさんを発見した。しかし、他に人質はおらず、ハマスによる反撃もなかった。

最近、ハマスは、トンネル内のあちこちに罠や爆発物を仕掛けている。IDFが近づく音を聞いて、ハマスがアル・カディさんを置いていったが、爆発物が怖くて動けなかったと言っている。

同様にイスラエル軍もかなり慎重に捜索をしていて、アル・カディさんに行き当たったようである。

偶然の発見ではなかったが、前回のような、劇的な計画的救出作戦による救出ではなかったとのことである。

詳しい情報はまだ明らかにされていないが、アル・カディさんは、べドゥインでイスラム教徒であるが、終始、イスラエル人として取り扱われたという。

拉致されてから10カ月以上、トンネル内などを移動して太陽を見なかったという。拉致されたときから35キロ減ったとのこと。非常に困難な経験だったと語っている。

また、最後2カ月を共にしたユダヤ人は、アル・カディさんの目の前で殺されたという。これが最も心の大きな傷になっているようである。Ynetによると、アル・カディさんは、ハマスを「悪魔」と呼んでいたとのこと。

アル・カディさんは、イスラエル南部のベドウィンの町ラハト在住で、2人の妻と11人の子供の父親（ベドウィンは一夫多妻が普通）である。

家族を養うため、ガザ国境のキブツ・マゲンの梱包工場の警備員として働いていた。10月7日、アル・カディさんはその近くで拉致されていた。

朗報を聞いて、アル・カディさんが搬送されたベエルシェバのソローか病院に駆けつけたのは、兄弟や男性家族ばかりというところが、いかにもベドウィンらしい感じである。

ヘルツォグ大統領が見舞いの電話をかけると、救出してくれたイスラエル軍に感謝を賞賛を述べるとともに、とにかく早く他の人質を救出してほしいと訴えたという。ネタニヤフ首相とも同様の電話での会話をしている。

なお、ハマスに拉致されたのは、251人で、まだガザに取り残されているのは104人。このうち34人は死亡とみられている。

アル・カディさんが救出された翌28日、ガザ南部での戦闘で、アミット・フリードマン軍曹（19）が死亡した。

人質が救出される背景には、戦闘で死亡する兵士もいる。

ちょっと映画プライベート・ライアンを思い出した。　https://mtolive.net/石のひとりごと：映画「プライベート・ライアン/

カイロで行われていた、間接的イスラエルとハマスの交渉は、大きな前進ないが、その後、低レベル係官による交渉が続けられていた。28日からは、またカタールのドーハで、低レベル係官たちによる交渉が行われる。イスラエルからも一行がドーハへ向かうとのこと。