目次
ガザ合意第二段階交渉延期の様相
本日2月3日(月)は、停戦開始から16日目であり、第二段階に関する交渉が開始される日である。
しかし、ネタニヤフ首相は、この前日、2日(日)にワシントンへ出発する前に、代表団のバルネア長官たちとの打ち合わせをキャンセルしていた。このことから、カタールへのイスラエル代表団の派遣は、ネタニヤフ首相が帰国してからになるとみられている。
ネタニヤフ首相は、本日2月3日(月)、ウィトコフ中東特使と会談し、翌4日(火)にトランプ大統領と会談してから、帰国する予定なので、数日の延期ということになる。これは、合意違反と見られても仕方がないことである。
また、ネタニヤフ首相は、これまで代表団を率いてきたバルネア長官を、ダーマー戦略大臣に交代させることを検討しているとの情報もあり、今後の交渉の方針が、トランプ大統領との会談で転換する可能性もうかがえる。
イスラエル国内では、実際のところ、ネタニヤフ首相は、ガザでの戦闘を再開させる気であるとみられており、トランプ大統領との会談でその姿勢を明らかにする可能性もある。
トランプ大統領の中東政策
そのトランプ大統領は、今ガザにいる避難民約150万人をヨルダンとエジプトに移動させ、戦闘が絶えないガザ地区を一掃する方針を表明。すでに両国に打診している。
これに対し、ヨルダンもエジプトも、これはパレスチナ国家に関することであり、国民となる人々をそこから排除するべきでないと即行で拒否を表明した。
また、2月1日には、エジプト、ヨルダン、UAE(アラブ首長国連邦)、サウジアラビア、カタールの外交官がカイロで、この問題を審議し、パレスチナ人の強制移住は拒否するとの共同声明を出した。
しかし、トランプ大統領は、諦めていない。トランプ大統領は、ネタニヤフ首相に続いて、ヨルダンのアブドラ二世国王もホワイトハウスを招いており、会談は今月末に予定となっている。
またウィトコフ米中東特使は、ワシントンでネタニヤフ首相と会談した後、今週中にカタールとエジプトの首脳とも会談する予定である。
トランプ大統領は、前期にアブラハム合意(イスラエルとUAE、バーレーン、スーダン、モロッコ)を成立させていた。
ここにサウジアラビアが入れば、中東の勢力図は大きく変わることになる。ネタニヤフ首相もこれに大いに期待し、協力もしていた。
しかし、その後、バイデン政権となり、サウジアラビアとアメリカの関係は冷え込んだ。また、イスラエルとガザが戦争となると、パレスチナ国家成立を全面に押し出すサウジアラビア、また他のアラブ諸国もこの合意からは距離を置く形になっている。
トランプ大統領は、今回、就任後まもなく、サウジアラビアのビン・サルマン皇太子と電話会談を行っていた。
ヨルダン、エジプト、サウジアラビアはじめとする湾岸アラブ諸国が、トランプ大統領に歩み寄れば、ガザの一掃だけでなく、その背後にいるイランの脅威にも対処できることになる。・・が、現実はそう甘くないと思われる・・。
中東情勢が大きく変わるのか否かという中で、今、ネタニヤフ首相がアメリカにいるということである。