ガザでイスラエル予備役兵1人戦死・2人負傷:無人戦車も投入・戦場からの情報 2025.4.25

Master Sgt. Asaf Cafri (Israel Defense Forces)

ガザでの現状まとめ

Haaretzガザでは、南部ラファをほぼ制圧し、フィラデルフィ回廊と並行するモラド回廊を設営。

ガザとイスラエルの間にぐるりと緩衝地帯を作って、イスラエル本土を守る形にしている。

しかし、この緩衝地帯(赤エリア)に駐留するイスラエル軍に向かってハマスなどが攻撃をすることがあり、危険な状況が続いている。

以下はモラグ回廊に駐留するイスラエル軍の様子

ガザ北部でイスラエル予備役兵1人死亡:先週から2人目

4月24日(木)夜、ガザ北部では、ジャバリヤ地域で、ハマス、イスラム聖戦などを標的とした空爆が行われた。イスラエル国内でのテロが計画されているとの情報があったからである。

Israeli airstrike in Gaza on April 24, 2025. (Screen capture/X)

パレスチナ側は、少なくとも9人が死亡したと表明。子供が血まみれで泣いている様子などを報じた。

イスラエルは、ハマスが、民間インフラを拠点としている他、子供や市民を盾にしている。これは国際法違反だと反論し続けている。

その後、ガザ北部では、さらにイスラエルとの国境に近い、ベイト・ハヌーンとシーカー・ザイードでも、避難民たちに移動するようにと警報が出された。

Master Sgt. Asaf Cafri (Israel Defense Forces)

その数時間後、その地域に隣接する緩衝地帯に駐留していたイスラエル軍にむけて銃撃があり、戦車運転手の予備役兵アサフ・カフリ軍曹(26)が死亡。

その隣にいた、2人が重傷、もう一人も中等度の負傷となった。イスラエル軍を攻撃した戦闘員たちは、逃げ去ったとこと。

今回、戦死者が出たエリアは、先週土曜日に、アルナサスラ司令官が戦死した地域の近くであった。

www.timesofisrael.com/israeli-soldier-killed-three-wounded-during-fighting-in-northern-gaza/

イスラエル軍は、この地域にいる避難民にガザ市方面へ移動するよう警告を発しており、その地域へも攻撃が行われたとみられる。

BBCなどによると、4月24日から25日までの攻撃で、ガザ全域での死者は少なくとも50人と報じている。

www.bbc.com/news/articles/c4g28g02ng2o

イスラエル軍では、3月18日に戦闘が再開されてからの戦死者は2人。すべて報道されていないが、戦闘で負傷する兵士は、複数発生している。

戦場からの情報:無人戦車ロボタンクの活躍・女性兵士たちも

イスラエルという国は、とにかく変化が早い。常に何が足りないかを見て、改善し続けているからである。戦場では、すでに無人の戦車、ロボタンクを投入している。最前線の部隊を助け、道路をクリアにするなどで用いられている。

しかし、イスラエルは、10月7日以来、すでに技術に頼りすぎてもいけないということも、十分学んでいる。結局は、それをいつどのように投入するかを決める人間が大事なのだと言っている。

また、祈りの中で覚えるべき点として、戦場に女性兵士たちがいることも知っていただければと思う。厳しい戦場で、ヘルメットからロングヘアが出ているという。

女性兵士も、ガザで負傷していたことを以下のイスラエルのニュースは伝えている。

メラニー・レムベルスキー軍曹は、「ガザに入ると、恐怖はない。それはそこから出た時に感じる。ガザに入ってしまえば、そこにあるのは使命であり、チームがあるだけだ。」と語っている。

石のひとりごと

戦場では、まさに仲間と生死を共にすることになる。以前メシアニックのイスラエル人で兵役に行く人から、戦場に行けば、みな家族だ。信仰の違いなどもないと言っていた。

イスラエル軍では、いったんチームとして形成されると、ずっと一緒とのケースが多いようである。そのチームは、徴兵される時は一緒に徴兵される。まさに家族そのもの、いやそれ以上になるのだろう。

今回戦死したアサフさん。家族と部隊も大きすぎる穴と深すぎる悲しみにあることと思う。主がイスラエルの全ての部隊を完全に守ってくださるようにと今日も祈る。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。