オバマ大統領来訪でテロ、紛争を懸念 2013.3.13

オバマ大統領の訪問は来週20-22日。エルサレムに48時間滞在し、西岸地区のアッバス議長、ヨルダンのアブドラ国王も訪問する。この他、観光としてイスラエル博物館、ベツレヘムなどを訪問、学生との対話も予定されている。

これに会わせて、世界中のテレビ局、ジャーナリストらがイスラエル入りを始めている。政府プレスオフィスによると、この時期に取材に来るメディア関係者は約500人。うち200人はホワイトハウス関係のメディアである。

<イスラエルとパレスチナ、メディアのとりこみ合戦?>

イスラエル政府はこれらの海外メディアにイスラエルのよいイメージを体験してもらうため、無料のメディアセンターを設立、専用アプリ開始、各種取材ツアーを催すなど、接待に追われている。

これとは反対に、パレスチナのデモ隊にとっては、イスラエル軍との衝突を世界のメディアに報道してもらうこれほどよい機会はない。オバマ大統領来訪に会わせて、テロ・紛争が起こると懸念する専門家もいる。

すでに2月に入ってから、西岸地区ではパレスチナの若者とイスラエル軍の衝突が70%も増加。ほぼ毎週金曜、パレスチナ人とイスラエル軍の暴力的な衝突が発生しており、これまでにパレスチナ人8人が死亡している。

オバマ大統領来訪に備えた治安要員は、軍、警察など、現時点では10000人が予定されている。準備のための部分的道路封鎖は17日(日)から。

24日(オバマ大統領が帰るのは22日)に始まる過ぎ越しの準備で忙しいエルサレム市民にとっては大迷惑ということになりそうである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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