5月12日(月)、右派ユダヤ教徒ら9人が、エルサレムの神殿の丘に、犠牲として捧げるためのヤギの赤ちゃんを、スーパー・ラミレビの袋に隠して持ち込もうとしていることが発覚。
神殿の丘に入る入口にいた警察と乱闘になった。シェマ祈りを言う者がいる中、警察をすり抜けて、神殿の丘へ入った者もいた。しかし、次にはイスラム教徒のワクフに捕まり、ヤギも袋からつまみ出されたとのこと。
דרמה בהר הבית: 9 תושבי אזור ירושלים נעצרו בחשד לתקיפת שוטרים – אחד מהם ניסה להבריח גדי למתחם בתוך שקית@VeredPelman
צילום: אברהם שאול פואה pic.twitter.com/ZAe9i0ThrP— כאן חדשות (@kann_news) May 12, 2025
9人は、エルサレムと西岸地区に住む過激右派ユダヤ人の若者たちで、この日は、第二の過越とされる日であった。
こうした事件は、今回に始まったことではなく、昨年は、同じ頃に13人が、同じ理由で逮捕されていた。
*神殿でのヤギの捧げ物
エルサレムの神殿の丘は、今はハラム・アッシャリフとよばれ、イスラム教の黄金のドームが建っている。
イスラム教よれば、教祖である預言者モハンマドが、ここから天にのぼって啓示を受けたところと信じられている。
7世紀にイスラム帝国がエルサレムを支配するようになってから、イスラム教の聖地、メッカ、メディナに続いて、第3の聖地とされてきた場所である。
しかし、ここは、西暦70年までは、ユダヤ人の信仰の中心であった神殿があったところである。神殿で行われていたことの中心は、罪を牛やヤギ、子羊などを犠牲として捧げることであった。
ユダヤ人たちは、旧約聖書に書かれているように、神から律法をもらい、それを土台にイスラエルという国民になった人々である。しかし、その律法を守りきれなかった場合は、神の前に罪となり、滅びることになる。
しかし、神は、この罪の罰を、動物に代わって受けてもらうことで、贖うことができる、赦されるというシステムも与えていたのであった。
このため、まだイスラエルが国として存在していた2000年前までは、人々は、エルサレムの神殿に来て、動物を捧げてきたのであった。その締めくくりがイエスキリストの十字架なのである。
イエスは、神の子として地上に来て、全人類の罪を被って、自らが犠牲となり、その3日後によみがえって、全人類の罪の赦しを完成させた。これを信じているのがキリスト教ということである。
それから2000年を経て、1948年に、イスラエルが再建された。しかし、今の神殿の丘は、神殿がないだけでなく、イスラムの場所になっている。
これをなんとかして、イスラエルの手に取り戻すというのが、強硬右派ユダヤ教徒たちの、最大の目標である。そのために、このように、無理をしてでもヤギを持ち込もうとしているのである。
なお、こんな動きが、実際に始まったのは、最近のこと。聖書には、終わりの時には、第三神殿が立つと預言されており、これを確信している強硬右派たちは、これを実行しようと、実施的にも準備を進めている。そういう時代に入っているということである。
石のひとりごと
本気でヤギを持ち込んで、警察と乱闘になる。この人々にとっては、本当に重要なことなのだろう。
おーい。イエス・キリストはもう、完全な捧げ物になってくれているよと、いいたいところだが・・。