エルサレムで続いた悲惨な事故 2014.1.23

エルサレムでは今週、悲惨な事故が2件続いた。重症者のためにぜひお祈りください。

1.ガス爆発事故

一つはギロのアパートで19日夜中1時に突然発生したガス爆発事故。あまりにも大きな爆発だったため、50メートル先の車のガラスが破壊されている。この事故で、2歳児を含むさんツハンさん一家3人が死亡。負傷者は15人以上に上る。

負傷者のうち、リンダ・シュワルツさん(40代)が今も瀕死の重傷である。リンダさんの両親(86才、88才)も負傷したが、命に別状はないため、とりあえず、高齢者ホームに収容された。リンダさんは、高齢のシュワルツ夫妻の1人娘である。

爆発が相当大きかったため、この事故で、24家族が家を失った。現在ホテル住まいをしているが、26日には、ホテルを出なければならないという。中には、家のローンを支払い中の家族もいる。

イスラエルでは、テロや自然災害お場合は国が補償することになっているが、こうした事故の場合は、政府に補償の義務はない。いまのところ、事故がだれの責任かはわかっていない。

2.毒ガス事故

二つ目の事故も、エルサレム市内。害虫駆除の担当者が、猛毒になりうる水素化リンを封鎖した部屋で使用したため、数日後、毒ガスがその部屋からもれて、グロスさん一家の2才と4才の女の子が死亡した。

2人の男の子、ミハエルちゃん(5才)とイツハクちゃん(8才)もかなりの重傷で、おちついてはいるものの、まだ命に危険があるという。両親も同様で治療中である。この毒に関しては、中和剤がないとのこと。

イスラエルでは、ガス攻撃にそなえて、各家庭にシールドルームとよばれる締め切った部屋を用意しておくことになっている。その部屋に害虫駆除の担当員が、水素化リンをまいたのです

グロスさん宅のシールドルームが毒ガスを完全に遮断するものではなかったとみられ、中で発生した毒ガスが外へ漏れだしたとみられている。

水素化リンはシリアで使われた毒ガスと同じものだという。この駆除剤は、危険性が高いため、屋外のみで使用することになっていた。担当した害虫駆除担当員は逮捕されている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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