目次
イスラエルのイランへの先制攻撃が始まってから3日が経過した。状況は今もエスカレートする様相にある。
イスラエルのイランへの攻撃:首都テヘランへの大規模攻撃
1)イスラエルへの攻撃を無力化
①ミサイル関連施設の破壊
攻撃3日目、6月15日(水)夜から16日にかけて、イスラエル軍は、今後のイスラエルへのミサイルを防ぐため、イラン国内の多数の弾道ミサイル発射装置、防空システムやレーダーを破壊した。この中には、10人が死亡したバットヤムへの攻撃に使われたものもあったとのこと。
חיל האוויר תקף באיראן לאורך כל הלילה והשמיד משגרי טילי קרקע-קרקע חמושים המוכנים לשיגור. בסגירת מעגל מהירה, חיל האוויר תקף גם משגרים ששיגרו טילים לעבר מדינת ישראל.
בנוסף, הותקפו תשתיות טילי קרקע-אוויר ומכ"מי גילוי של המשטר האיראני באיראן, כחלק מהעליונות האווירית של צה״ל בשמי… pic.twitter.com/s4igW92z3V
— צבא ההגנה לישראל (@idfonline) June 15, 2025
16日(月)深夜過ぎ、軍はイスラエル市民にシェルターへ入るよう指示した。その後、イラン中央にあった弾道ミサイルの発射施設を攻撃。発射寸前だったミサイルは発射されずにすんだ。イスラエル軍は、イランのミサイル関連の施設破壊に力を入れている。
以下のIDFが発表した映像は、イランの地対空ミサイルに接近する係官とその発射地を攻撃する様子。かなり焦点の当たった攻撃であることがわかる。
צה״ל חושף יכולות הגנה וסיכול סמוך לטהראן
בסגירת מעגל מהירה חיל האוויר זיהה וחיסל פעילי שיגור טילי קרקע-אוויר שניות לפני הגעתם למשגר דרומית לטהראן. הפעילים חוסלו והמשגר הושמד.
חיל האוויר ממשיך לפעול להשגת העליונות האווירית ברחבי איראן pic.twitter.com/gEqbSTe2hp
— צבא ההגנה לישראל (@idfonline) June 16, 2025
また、イラン北東部のマシャアド空港では、戦闘機への給油機を破壊した。これがなければ、イランの戦闘機は、2300キロ離れたイスラエルに到達することができなくなる。
②IRGC諜報高官ら3人死亡
昨日のイスラエルの攻撃で、IRGC(イラン革命防衛隊)の高官暗殺を続けている。昨夜は、IRGC諜報部長であるモハンマド・カゼミとその副官ハッサン・モハキクが死亡。情報将校のモーセン・バゲリも死亡した。
2)首都テヘランだけで80か所の要所破壊・核科学者9人死亡
しかし、昨日は、戦闘機約50機が、首都テヘランだけで、80か所へ攻撃を実施した。15日(日)午後に、テヘランの民間武器工場周辺に、避難警告を出し、その数時間後にその地域への広範囲の攻撃を実施していた。
⭕️حملات وحشتناک اسراییل به تهران#جاویدشاه pic.twitter.com/aW7eaYI1ny
— fireofGod1978(فایراف گاد سابق) چهارمین اکانت (@A94132868103641) June 15, 2025
この他、テヘラン燃料貯蔵地、イラン国防省、外務省、核プロジェクト本部への攻撃も行った。以下は各プロジェクト本部を攻撃した時の様子。
The IDF releases footage of its overnight strike on Iran's "nuclear program headquarters" in Tehran.
Earlier, the military said it hit some 80 targets in Tehran overnight, including fuel depots, the Iranian Defense Ministry headquarters, the “headquarters of the SPND nuclear… pic.twitter.com/sprgcGLFf9
— Emanuel (Mannie) Fabian (@manniefabian) June 15, 2025
テヘランでは、イスラエルの攻撃で、水道管が破裂したとの報告もある。
#Iran: Israeli strikes busted a pipe near Tajrish Square in #Tehran, causing sewage water to flood into the streets. pic.twitter.com/GqskoScmwT
— Thomas van Linge (@ThomasVLinge) June 15, 2025
また、テヘランでは、爆弾が仕掛けられていた?自動車5台が爆発し、あらたに核科学者が死亡。13日(金)以降、イスラエルの攻撃で死亡したイランの核科学者は少なくとも14人となった。
イスラエルはこのうち9人の名前を公表している。イスラエルは2020年に核科学者のモフセン・ファクリザデを暗殺したが、その後継者の科学者たちも含まれていた。
IDFは、これら科学者に関して、数年かけて追跡し、その位置情報含めかなり正確な情報を得ていたことを表している。そこにはイラン人の協力もあったことと思われる。
こうした中、イランは、モサド関係者2人を逮捕したと報じた。恐ろしい拷問や処刑が心配されるところ、さきほど、そのうちの一人、エスマイル・フェクリが処刑されたとの報道が出た。この3日間で、イランが、モサド関係者だとして処刑した人は3人目となった。
本当にモサドのスパイであったこととは思うが、もしかしたら誤認ということもあるかもしれず、恐ろしいことである。
www.timesofisrael.com/liveblog_entry/iran-says-it-has-arrested-two-mossad-agents/
www.timesofisrael.com/liveblog_entry/iran-executes-man-accused-of-spying-for-mossad/
イランの核施設への攻撃は?:地下施設には至らず・イスラエルはアメリカに協力要請中

イスラエルはこれまでに、イランの主要な核施設3か所、ナタンツ、イスファハン、ファルドーへの攻撃を実施した。地上にある施設については、かなりダメージを与えている。
しかし、イランの本格的な核施設地下深くにあり、上から攻撃では破壊することは不可能である。また、核施設は、この3か所だけでなく、全国に多数ある。
国家危機グループのイランプロジェクトディレクター、アリ・ヴァベズ氏がCNNに語ったところによると、これらのサプライチェーンは戦争で混乱してはいるが、地下施設そのものは破壊されていないので、数ヶ月に元に戻すことが可能とのこと。
edition.cnn.com/2025/06/14/middleeast/iran-israel-nuclear-facilities-damage-impact-intl
やはり、地下にある核施設を破壊する必要があるが、地下にまで破壊を及ぼす爆弾は、イスラエルにはない。しかし、アメリカには、その爆弾がある。イスラエルは、攻撃初日からアメリカに協力を要請している。
しかし、トランプ大統領は、あくまでも交渉で停戦に持ち込みたい考えのようで、まだはっきりとした返事はもらえていない。
イランの軍事と経済にも大打撃か
イスラエル軍によると、これまでにイラン領内25か所、720施設への攻撃を行った。これまでにイランでは78人が死亡。320人以上が負傷と14日(土)に報じられたがそれ以後に増えたという情報はない。

イスラエル軍のザミール参謀総長は、16日(日)夕方の声明で、イランが、イスラエルを打倒しようと長年をかけて構築されてきたもの、私たちの存在に対する危機に壊滅的な打撃を与える、歴史的な作戦だと賞賛する声明を出した。
このように、イスラエル軍は、イランの核兵器関連施設破壊には、まだ課題が残るものの、これまでの攻撃で、イランの軍事力には相当なダメージを与えたと推測している。
また、イランの経済を支える石油施設、ガス施設も破壊されたことから、イランへの経済的なダメージも大きいと推測している。
イスラエルは、イランの現政権の打倒は目的ではないと言っていたが、それも今では視野に入れているようである
石のひとりごと
昨日ぐらいからちょっと気になっているのが、イランが化学兵器を使わないかということ。
国際社会への手前、さすがに使わないとは思うが、生物化学兵器を装着したミサイルが着弾したら、それはもう大変なことになるだろう。それだけは、阻止してくださるよう祈る。