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イスラエル戦闘機20機でフーシ派報復攻撃
5月4日朝、フーシ派が発射した超音速弾道ミサイルが、イスラエルのベン・グリオン国際空港のメインであるターミナル3に続く道路脇に着弾。近くには駐車場もあったが、奇跡的に、空港そのものに被害は出ていないし、重傷者も出なかった。
しかし、イスラエルは、その夜、直ちに治安閣議を開き、報復することを決定していた。
ベン・グリオン空港が攻撃されてから、約36時間後の5月5日午後9時、イスラエルの空軍機20機(メディアによっては30機)が、2200キロ以上離れた、イエメンのホデイダ港に到達。少なくとも50個の爆弾を投下した。
A large fire reported in the Bajil district in Hodeidah Govenorate following Israeli airstrikes against Houthi targets. pic.twitter.com/HzcaEL1zTB
— Joe Truzman (@JoeTruzman) May 5, 2025
イスラエル軍によると、ホデイダ港は、フーシ派に支配されており、イランからの武器や爆薬など軍事物資搬入の入り口であった。
またすぐ近くにはバジル・コンクリート工場もあり、地下トンネルや、様々な軍事活動を支えていたとのこと。
Some of the first footage from tonight’s unilateral strikes by the Israeli Air Force against Hodeidah in Houthi-controlled Western Yemen, which is reported to have heavily targeted a cement factory on the outskirts of the city as well as the Port of Hodeidah. pic.twitter.com/gWDSVCLnsV
— OSINTdefender (@sentdefender) May 5, 2025
攻撃は、今イエメンでフーシ派攻撃を続けているアメリカとの協力で行われたが、攻撃そのものは、共同ではなく、イスラエル軍によるものであった。
攻撃は、ネタニヤフ首相、カッツ国防相、ザミールIDF参謀総長が、テルアビブの防衛庁本部で見守る中で、行われた。
ベン・グリオン空港に発着する航空会社のほとんどは、昨日から乗り入れを停止しているが、今日までとしていた停止期限を延長し始めている。
なお、フーシ派は、10月7日時件以来、イスラエルへの弾道ミサイル発射を27回も行っている。このため、イスラエルが、イエメンのフーシ派を直接攻撃するのは、今回が初めてではない。今年1月20日にも、同様に戦闘機20機がイエメンまで飛び、50以上の爆弾で攻撃を行っていた。
www.jpost.com/breaking-news/article-852751
フーシ派の反応:我々の軍事力に影響はないと豪語・貧困家庭の若者を強制徴兵
フーシ派の報道官ナスルディン・アミールは、「過激なシオニストとアメリカが破壊したのは、民間施設であり、我々の武力にはなんの影響もない」と豪語した。
しかし、フーシ派は、アメリカの攻撃ですでに大量の武器を失い、戦闘員も800人以上を失っている。それで今、全てがなくなる前に、イスラエルを攻撃したとの見方もある中での、今回のイスラエルによる攻撃であった。
今回の攻撃で、武器弾薬と、イランからの補給経路を失ったフーシ派が、本当に弱体化したのかどうか、イスラエルが第二弾の攻撃を行う可能性もあり、今後の動きが注目される。
こうした中、Ynetによると、フーシ派は、貧困による栄養失調や伝染病(世界で最も貧困な国の1つ)に苦しむ、イエメン人の子供や若者たちを強制的に徴兵し、訓練する様子を公開している。
www.ynetnews.com/article/ry118dabeee
イランは関与否定
イエメンは、世界でも最大級の貧困国である。それが超音速弾道ミサイルを多数持っているというのは、明らかにイランが持ち込んだものである。
しかし、イランは、ベン・グリオン空港攻撃について、関与は否定。パレスチナ人に同感しているフーシ派の独断だと述べた。ということは、イランはイランの方から介入はしないとも見える。
しかし、ネタニヤフ首相が、イラン攻撃も示唆したことについて、イランは、領土を脅かす者がいたら、必ず反撃すると強調している。