イスラエル軍がジェニンで大規模対テロ作戦開始 2025.1.22

Israeli troops and their vehicles in the center of Jenin in the West Bank on September 5, 2024. (Zain JAAFAR / AFP)

イスラエル軍がジェニンで大規模な対テロ作戦開始

西岸地区での戦いの様子(時期は不明)IDF

イスラエル軍は、21日午後、西岸地区ジェニンで、イスラエル曰く、“大規模な”対テロ作戦を開始した。ハマスが西岸地区で復帰を宣言しているとのこと。

戦闘機やドローンによるインフラへの攻撃で始まり、地上軍が突入して、テロリストたちを摘発、逮捕する。当然銃撃戦になっている。

初日の攻撃で、パレスチナ人10人が死亡。40人が負傷した。作戦は数日続く予定とのこと。

ジェニンでは、パレスチナ自治政府もテロリストの摘発を行っていたが、イスラエル軍は、自治政府治安部隊が出た後に作戦を開始した。今後、ガザでの停戦が継続に影響が出るかもしれないと言われている。

テロ事件増加の中でパレスチナ囚人90人釈放という現状

西岸地区では、停戦の前から緊張が高まっていた。1月に入ってからのテロで市民が3人死亡し、ユダヤ人入植者たちのパレスチナ人への暴力も大胆になってきている。憎しみの連鎖は悪化を続けている。

こうした中、ガザから人質3人が解放される代価として、パレスチナ囚人90人を西岸地区と東エルサレムへ釈放し、これから1900人ものテロリストを釈放する予定なのである。

イスラエルの刑務所にいたという経歴は、パレスチナ人にとっては勲章に近いものがあり、釈放された者たちがさらに大胆なテロ活動を再開する可能性が高くなる。

2012年、当時も首相だったネタニヤフ首相は、ガザで囚われていた、ギラッド・シャリート兵士をハマスにひき渡してもらうかわりに、パレスチナ人の囚人、1027人を釈放した。

その中にあのハマス最高指導者ヤヒヤ・シンワルが含まれていた他、82%はテロに戻ったことがわかっている。

今回は、人質33人の釈放に対し、1904人を釈放することになっている。必然的に、今後、テロが増えると懸念され、イスラエルでは、治安部隊の配置を強化している。

www.timesofisrael.com/idf-launches-major-counterterror-raid-in-west-banks-jenin-expected-to-last-days/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。